第 4359 回

新時代対応に向けた投資ファンドの設立・出資
~事業会社、金融機関による出資のための法務の処方箋~

会場受講LIVE配信
2020年10月22日(木) 13:30~16:30
金融ファクシミリ新聞社
セミナールーム
東京都中央区日本橋小網町9-9
小網町安田ビル2階 地図
電話 03-3639-8858
当セミナーは全 回のシリーズ開催です。
1回のみでもお申込みいただけます。

講師

龍野 滋幹
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
パートナー 弁護士

講演趣旨

 スタートアップによるIT関連をはじめとしたFinTech、AI、ライフサイエンス、ロボット、さらには農業やエンターテインメント等の多分野にわたるめざましい活躍に伴い、スタートアップ投資は活発に行われています。そして、Withコロナの時代になってもスタートアップの価値評価が落ち着きを取り戻してきていることに伴いVCファンドの投資意欲は一層活発になっており、事業会社においても、ファンドを通じてやCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)の組成による出資への参画はもはや一般的になっています。また、事業の選択と集中が進められている各企業において、さらにデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応に伴う資金捻出のための事業売却の動きも加速化しており、それに応じてPEファンドによる買収意欲も旺盛になっています。
 これらに伴って、新規ファンドが様々な担い手によって設立されることが増加してきていますが、それがゆえにこれまで経験のそれほど多くない設立側、投資側ともに、法令上の規制はもちろん、ファンド契約の構造及び注意すべきポイントの十分な理解が必要です。さらに、金融機関が投資を行う場合に特有の金融規制上の留意点、CVCを設立する場合に特有のLPの権限等の法的論点や投資対象選定やパラレル投資に目配りした条項、サイドレターについてのノウハウなど、ケースに応じた細心の配慮も欠かせません。
 本セミナーでは、複数の投資ファンド、スタートアップの法律顧問を務め、ファンド組成やファンド投資へのアドバイスを常時行っている講師が、特に組合・パートナーシップ形式の投資ファンドを念頭に置いたファンド契約のあり方及び各種留意点に関する実践的解説を丁寧に行います。

補足案内

●本セミナーへのご同業の応募はご遠慮ください。
●本セミナーのLIVE配信は、Zoomを利用します。

講演項目

1.投資ファンドの類型と組成手法
2.ファンド契約の重要ポイント
(1) 出資:キャピタルコールの内容、債務不履行の場合の措置、追加クロージング、再投資の可否
(2) 投資家によるガバナンス:検査・閲覧権、キーパーソン条項
(3) 投資家のファンド運営への関与:投資委員会、諮問委員会
(4) General PartnerとLimited Partnerの間の利益分配:管理報酬・成功報酬、クローバック
(5) GPをLLP(有限責任事業組合)が務める場合の留意点
(6) 利益相反への対応
(7) 地位の譲渡制限、脱退、除名
3.サイドレターの頻出論点
(1) 銀行法、独占禁止法その他の関連金融規制対応
(2) 最恵国待遇
(3) 諮問委員会における役割
(4) パラレル投資
4.金融規制法上の留意点
(1) 適格機関投資家等特例業務等、金融商品取引法上の規制
(2) 銀行法、独占禁止法その他の関連金融規制
(3) CVC特有の法的論点:LPの権限等、利益相反対応等

講師紹介

龍野 滋幹 (たつの しげき) 氏
 2000年東京大学法学部卒業。2002年弁護士登録、アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所。2007年New York University School of Law修了(LL.M.)、2008年ニューヨーク州弁護士登録。2014年11月から東京大学大学院薬学系研究科・薬学部「ヒトを対象とする研究倫理審査委員会」審査委員。複数の投資ファンド及びスタートアップ企業の法律顧問を務め、投資ファンドの組成や国内外への投資ファンドへの出資、スタートアップ投資にての経験豊富。また、国内外の買収、JV、その他のM&Aも手掛ける。
<セミナー>
 「今後の状況下におけるカーブアウトM&Aの法務戦略」、「スタートアップ投資・提携法務の徹底解説」、「新・M&A実務担当者養成講座(全4回)~ 課題ワークを通じて現場ですぐに役立つノウハウを習得 ~」、「ライフサイエンス業界の潮流を踏まえたM&A・提携に関する解説」、「新ファンド規制を踏まえた投資事業有限責任組合の組成の実務と法務」、「ファンド契約の実践的ポイント~投資ファンドからCVCまで、使える投資事業有限責任組合のポイント解説~」、「不祥事対応の最新実務~初動対応、AI等を用いた近時の調査手法から危機予防体制の構築まで~」等多数。