木山 二郎 氏 森・濱田松本法律事務所 弁護士

　昨今、不正・不祥事の発生により当該企業の信用が大きく毀損するなど、社会問題となるケースが多く見られます。そのため、多数の企業がコンプライアンス教育並びに態勢の確立に躍起になっています。ところが、公共性が高くコンプライアンスがより重要なはずのエネルギー事業において、関西電力の金品受領問題など大きな社会的批判を浴びるコンプライアンス事案が発生しています。電力・ガスの小売が全面自由化され大きく事業環境が変化するなか、電力会社などエネルギー事業者には一層の自覚が求められます。
　本セミナーでは、多数のエネルギー関連企業に対し法的アドバイスを行っている講師が、エネルギー事業の環境変化を踏まえた不正・不祥事の事前防止と発覚時対応のポイントについて、金品受領問題にも言及しながら解説します。

1 エネルギー事業を取り巻く環境変化

・エネルギー事業における不正・不祥事の事例
・エネルギー事業を巡るコンプライアンスの状況変化
～よりシビアな世間の目～
・電力・ガス事業法だけではないコンプライアンス

2 不正・不祥事が発覚した場合の対応のポイント

・不正・不祥事からどのようにして信頼を回復するか
・一般的な不正調査の流れ
～初動から再発防止策の構築まで～
・事案に応じた不正調査の体制・手法

3 「渡す・貰う」コンプライアンス

・金品を「渡す・貰う」の心理
・金品を「渡す・貰う」の問題点～金品授受の問題の本質～
・金品授受の問題を踏まえた対応策

4 今、考えるエネルギー事業のコンプライアンス

・時代に合った正しいコンプライアンス意識
・正しい企業風土の醸成～トップと現場の乖離～
・事業環境の変化を踏まえた組織の変革等

木山 二郎 (きやま じろう) 氏

　2010年森・濱田松本法律事務所に入所。2014年からOCCTOに出向し、OCCTOの設立に関与する。現在はOCCTOへの出向経験を通じて培った知見を活かし、多数のエネルギー関連企業に対してアドバイスするなど、エネルギー分野と従来の専門分野である危機管理・紛争処理・事業再生が交錯する領域に専門的知見を有する。近時、日本を代表する多数の不正・不祥事案件に主任として関与。

＜著述＞

　エネルギー専門紙「電気新聞」にて近時、「電気事業とコンプライアンス」と題し全6回、「電気事業と破産・再生」と題し全7回に亘り連載。