第 3487 回

OFAC規制の最新動向と米トランプ政権下の経済制裁に対する日本企業の対応策

-対イラン・キューバ・ロシア・北朝鮮制裁の新たな急展開を踏まえ-

会場受講
2017年11月14日(火) 13:30~16:30
金融ファクシミリ新聞社
セミナールーム
東京都中央区日本橋小網町9-9
小網町安田ビル2階 地図
電話 03-3639-8858
当セミナーは全 回のシリーズ開催です。
1回のみでもお申込みいただけます。

講師

高橋 大祐
真和総合法律事務所 パートナー弁護士

講演趣旨

 米国では以前よりOFAC(海外資産管理局)による経済制裁の域外適用を積極化させており、仏系金融機関BNPパリバ銀行がOFAC規制違反として摘発され約9100億円という史上最高額の罰金の支払いに応じざるを得なくなった事件は衝撃を与えた。本事件の後も様々な国籍・業種の企業が相次いで摘発されており、今年に入ってからも 中国系通信メーカー中興通訊(ZTE)や米系保険会社AIGなどが制裁金の支払を命じられている。
そのため、日本の企業・金融機関も、巨額の制裁金のリスクに対処するために、コンプライアンス対応が迫られている。
 一方、就任後「入国制限」「壁建設」など衝撃的な内容の大統領令を相次いで発表してきたトランプ大統領は、諸外国に対する経済制裁でも急展開を見せている。オバマ政権下では、核実験を実施した北朝鮮、ウクライナ紛争に関与したロシアに対しては制裁を強化した一方、核問題に関し包括的合意したイランや国交を正常化したキューバには制裁を緩和してきた。ところが、トランプ大統領は、就任前からイランとの核合意の破棄を公言するなどイラン・キューバへの制裁緩和に懐疑的であり、オバマ時代とは逆の流れが生じ始めている。
 そこで本セミナーでは、まず米国OFAC規制の域外適用とこれに対応するデューディリジェンス(DD)の実践方法を述べ、次に諸外国に対するトランプ政権の最新規制動向とその影響を紹介し、日本の企業・金融機関などによる対応策についても解説する。

補足案内

講演項目

第1 米国OFAC規制の概要と実務影響
-域外適用の法的根拠と実例、米国大統領選の実務影響を中心に
第2 経済制裁規制デューディリジェンスの実践の手法
-具体的事例を通じた実践方法とグローバル暴力団排除条項も含めて
第3 トランプ政権下での経済制裁の急展開と実務影響
1.イラン:核問題に関する包括的合意に基づく制裁緩和とトランプ政権下での最新動向
2.キューバ:国交正常化交渉をふまえた制裁緩和とトランプ政権下での最新動向
3.北朝鮮:サイバーテロ攻撃・核実験発表をふまえた制裁強化の最新動向
4.ロシア・クリミア:SSIリスト方式の新次元の経済制裁とトランプ政権下での最新動向
5.その他:セミナー当日までの各国制裁の重要なアップデートを解説
第4 経済制裁規制コンプライアンス体制整備のあり方
-内部統制システム整備のための具体的なステップも含めて

講師紹介

高橋 大祐 (たかはし だいすけ) 氏
 2003年司法試験合格。04年早稲田大学卒業、05年司法修習修了、弁護士登録、真和総合法律事務所入所。08~09年、欧州連合国費給付奨学生として、ドイツ・ハンブルク大学、イタリア・ボローニャ大学、フランス・エクスマルセイユ大学に留学し、各国から法学修士号取得。09~10年、米国フレッチャー法律外交大学院に留学し、国際法学修士号取得。10~11年、米国K&L GATE法律事務所。日弁連弁護士業務改革委員会CSRと内部統制プロジェクトチーム副座長、国際法曹協会CSR委員会オフィサー、早稲田大学日米研究所招聘研究員、JETROアジア経済研究所研究会外部委員、上智大学法学部非常勤講師なども歴任する。
<関連論文>
 「経済制裁規制の域外適用にどう対応するか」(ビジネス法務2016年4月号トレンドアイ)、「FinTech仮想通貨におけるマネロン・反社リスクの所在」(旬刊商事法務2133号)「オバマ暴排大統領令と東京都暴排条例」(NBL966号 共著)、「グローバル時代の反社会的勢力対応」(NBL991・993号 共著)、「緊迫する世界情勢下におけるグローバル危機管理」(NBL1015号巻頭言 共著)、「グローバル時代のCSR法務戦略」(証券アナリストジャーナル2014年8月号)、「中小企業の海外展開における海外贈賄防止対策の強化」(会社法務A2Z2016年11月号特集)など多数。