第 3574 回

海外に生産拠点を移す場合の移転価格税制上の問題

-BEPS行動計画に伴う無形資産のOECD新ガイドライン-

会場受講
2018年4月10日(火) 13:30~16:30
金融ファクシミリ新聞社
セミナールーム
東京都中央区日本橋小網町9-9
小網町安田ビル2階 地図
電話 03-3639-8858
当セミナーは全 回のシリーズ開催です。
1回のみでもお申込みいただけます。

講師

棚瀬 孝雄
棚瀬法律事務所 所長 弁護士

講演趣旨

 日本企業の海外進出が積極的に行われ、配当金等貿易外経常収支が大幅に黒字化している。しかし、海外進出にあたり、法的な規制や労働、取引慣行など異なった市場環境の元での対応に困難を感じることも少なくない。とくに、海外に子会社を設ける場合、移転価格税制の問題に悩まされることが多く、企業から見てグローバルなビジネス展開に必要な組織再編や関連会社間の取引が課税当局に理解されず、否認処分を受けて訴訟になるケースも増えている。
 本講演では、なかでも困難な、無形資産の移転・使用に伴う移転価格上の問題について、OECDのBEPS行動計画、及びそれを踏まえた移転価格の新ガイドラインを元に、日本のメーカーが、日本の技術を持っていって現地に工場を作り、かつ、その製品を従来の親会社が作り上げてきたブランド力にも助けられて販売するという海外進出の典型的なケースを中心に具体的に詳述したい。

補足案内

講演項目

1 移転価格税制の考え方、基本的仕組み
2 否認処分を受けた場合の不服申立及び訴訟
3 無形資産に関するBEPS行動計画、及びOECD新ガイドライン
4 ロイヤリティ支払いをめぐる各国の法制、判例
5 マスターファイル・カントリーレポート、納税申告時の移転価格レポート

講師紹介

棚瀬 孝雄(たなせ たかお)氏
 東京大学法学部卒業。京都大学法科大学院教授、ハーバード、ミシガン、カリフォルニア各ロースクール客員教授、中央大学法務研究科教授を経て、2007年に棚瀬法律事務所創設。長期にわたる在外研究、幅広い国際的なネットワークを活かして国際法務を重点領域に。インド法務にも早くから取り組み、合弁事業、販売代理店契約、M&A、移転価格訴訟を日本の親企業、現地子会社の支援として行ってきた。所属弁護士が1名インド、もう1名がミャンマーの法律事務所に出向中。インド関係のセミナーを過去2年間で4回、税法、労働法、環境法をテーマで行い、インド労働法に関しては学術的な論文も執筆。研究者の頃に比較法的な視点からの契約法、不法行為法、訴訟手続、法理論など著書、論文多数あり。