第 3640 回

海外子会社のガバナンス・コンプライアンス体制を充実・強化するための具体策

会場受講
2018年6月22日(金) 13:30~16:30
金融ファクシミリ新聞社
セミナールーム
東京都中央区日本橋小網町9-9
小網町安田ビル2階 地図
電話 03-3639-8858
当セミナーは全 回のシリーズ開催です。
1回のみでもお申込みいただけます。

講師

中山 達樹
中山国際法律事務所 代表弁護士
公認不正検査士 国際化支援アドバイザー

講演趣旨

 言語や文化の壁を超えて海外関連会社の現場にコンプライアンスを浸透させるためには、「何を」(what)整備すべきかのみならず、「誰が」(who)「どうやって」(how) 現場に伝えるべきか、までを考慮しなければいけません。本社−現地間の「距離感」は案外大きいからです。ところが、人材不足もあり、会計の見地から現地の往査をしていても、ガバナンス・コンプライアンスの見地から現地の往査をしている企業はほとんどありません。このため、多くの企業が、現地のコンプライアンスの実態・実情を把握できていません。これはリスクを放置しているに等しいといえます。
 そこで本講演では、昨年は20回(計90日)もの海外出張をして、最も「現場」に密着し、海外コンプライアンスの問題点を最もよく知る国際弁護士が、極めて実務的な視点から、「誰が」「どのような」役割分担をして海外コンプライアンスを実施すべきかにつき、大胆に提言します。

補足案内

講演項目

1 海外ガバナンス・コンプライアンスの問題点
(1)ガバナンスとコンプライアンスの違い
-ガバナンスなければコンプライアンスなし
(2)コンプライアンス情報を如何に浸透させるか 
-what ではなくwho、how も
(3)海外経営資源の有効活用 
-本社管理部の「守り」と現法社長の「攻め」の役割分担
(4)海外子会社「管理」の意味と実践 
-事前の「デザイン」「お膳立て」「サポート」 
2 海外主要約15か国の会社・労務・贈賄・独禁法・情報保護・BCP対策
(1)海外主要国の会社法・人事・労務・贈賄・独禁法・情報保護・経理・BCP情報
(2)現場の監査で見える「定型的」ミスを因数分解して本社で一括管理
-コスト減に
(3)海外の現場で感じるジレンマ 
-コンプライアンス研修の具体的方法など
3 グローバル人材・人事戦略とコミュニケーション戦術
(1)どの国にどのような人材を派遣すべきか 
-インドにはB型関西人?
(2)グローバル人材育成戦略と「定量的」評価方法 
-「人事・労務で法務を予防」
(3)現法社長を何年くらいの任期にすべきか 
-現地で「王様化」しないためには?
(4)人種・国籍等に従った昇進管理 
-「ガラスの天井」を設けるべきか
(5)現地スタッフの従業員満足度向上方法 
-貧富に応じて/日本の「昭和」を参考に
4 海外関連会社のガバナンス・コンプライアンス・管理
(1)リスクマトリックスを用いたメリハリのある理想的な海外関連会社管理・監査方法
(2)ストライキ・Job Hopping防止等の具体的労務管理対策とチェックリスト
(3)内部通報制度の工夫と情報管理(国外移転,GDPR)の相克
(4)贈賄やカルテルにどう対処するか?
-現地商慣習への対応ノウハウの蓄積化

講師紹介

中山 達樹 (なかやま たつき) 氏
1998年東京大学法学部卒業。2007年三宅・山崎法律事務所入所。2010年シンガポール国立大学ロースクール(アジア法専攻)修了。2010~2011年にはシンガポールのDrew & Napier法律事務所に勤務。2015年8月中山国際法律事務所開設、同事務所代表弁護士。2013年中小機構国際化支援アドバイザー。2016年公認不正検査士。『アジア労働法の実務 Q&A』をはじめ海外進出(主として新興国)に関する著書論文、また講演実績多数。