第 3654 回

ESG・SDGsをめぐる法実務の最新動向と企業・金融機関におけるリスク管理手法

会場受講
2018年7月9日(月) 13:30~16:30
金融ファクシミリ新聞社
セミナールーム
東京都中央区日本橋小網町9-9
小網町安田ビル2階 地図
電話 03-3639-8858
当セミナーは全 回のシリーズ開催です。
1回のみでもお申込みいただけます。

講師

高橋 大祐
真和総合法律事務所
パートナー弁護士 法学修士(米・仏・独・伊)

講演趣旨

 近年、持続可能な開発目標(SDGs)、国連責任投資原則(PRI)、気候変動に関するパリ協定、ビジネスと人権国連指導原則をはじめとする、ESGに関するグローバルなルール形成が進みつつあり、サプライチェーン・インベストメントチェーンを通じたESG取組みが、欧米各国で法的義務ないしはそれに準じる開示義務にまで引き上げられつつある。一方、一連の企業不祥事を通じて、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関するリスクの企業価値に対するインパクトがより一層認識されている。このような中、日本国内でもESG投資が急拡大しており、改訂スチュワードシップコード・ガバナンスコード、不祥事対応・予防プリンシプル、東京五輪調達コードなどのルール形成も進みつつある。その結果、企業ではESGに関するリスク管理やその取組状況の開示が重要になるともに、金融機関・機関投資家においてもESGに配慮した投融資が強く期待されている。
 本セミナーでは、上記のようなESGに関する法規制・法実務の最新動向を解説すると共に、企業のESGリスクの対処・開示方法や機関投資家・金融機関によるESGリスクを考慮した投融資の方法について、その実践手法や法的論点を具体的に議論する。

補足案内

講演項目

Ⅰ ESGとは何か-ESGとCSRの異同、ESGの各要素の関係性、ESGと企業価値・企業不祥事との関係性を中心に
Ⅱ ESG・SDGsをめぐるグローバルな法規制・法実務の最新動向
1 グローバルなルール形成:SDGs、PRI、パリ協定、指導原則等
2 欧米の規制動向と実務影響:紛争鉱物規制、英国現代奴隷法、米国貿易促進化貿易執行法、EU非財務情報開示指令、フランス人権DD法、気候変動関連開示ガイダンス(TCFD)等
Ⅲ ESGをめぐる日本国内の法実務の最新動向
-改訂スチュワードシップコード・ガバナンスコード、価値協創ガイダンス、不祥事予防・対応プリンシプル、東京五輪調達コードを中心に  
Ⅳ 企業におけるESG関連リスクの管理・開示の実践手法
1 ESG関連リスクの管理における実践手法:インパクトアセスメント、リスクベースアプローチ、サプライチェーン管理、内部統制システム整備などにおける留意点
2 ESG関連リスクの開示における実践手法:開示の内容・項目・媒体などに関する留意点
3 企業不祥事発生時の対応方法
Ⅴ 機関投資家・金融機関におけるESG関連リスク管理の実践手法
1 機関投資家におけるESG投資のエンゲージメントにおける留意点―不祥事発生・予防のための対応を中心に
2 金融機関におけるESGに配慮した融資における留意点

講師紹介

高橋 大祐 (たかはし だいすけ) 氏
 日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。企業・金融機関に対し、グローバルコンプライアンス・ESG・ 危機管理に関する案件に対応するほか、社内規程整備・社内研修などの内部統制システム整備の支援も担当。日弁連の弁護士業務改革委員会CSRと内部統制プロジェクトチーム副座長として、日弁連人権DDガイダンスやCSR条項モデル条項の策定にも関わる。 国際法曹協会CSR委員会オフィサー、早稲田大学日米研究所招聘研究員、JETROアジア経済研究所研究会委員、上智大学法学部非常勤講師なども務める。
<関連論文>
 「ESG関連リスクの管理・開示のあり方-CGコード第2章への対応を視野に-」(旬刊商事法務No.2146・2147)、「会社法務で求められるサステナビリティ戦略-オリンピック調達・ESG投資を巡る実務動向を踏まえて」(会社法務A2Z 2017年5月号)、「ESG(環境・社会・ガバナンス)法務序論」(QUICK ESG研究所ウェブサイト 2016年12月)、「サプライチェーン・インベストメントチェーンにおけるCSR条項の活用」(自由と正義 2015年12月号)、「グローバル時代 のCSR法務戦略」(証券アナリストジャーナル 2014年8月号)、「サプライチェーンにおけるCSR法務戦略」(NBL1001・1002・1003 号、共著)ほか多数。