有吉 尚哉 氏 西村あさひ法律事務所　パートナー　弁護士

　債権・契約に関する規律を抜本的に見直す「民法の一部を改正する法律」による民法改正は、2020年4月1日より施行される。この改正により、企業の実務・法務において、債権・債務の管理や訴訟実務などとともに、約款の運用方法や目的物に不備があった場合の当事者の権利関係など、幅広い類型の契約実務にも大きな影響が生じることが予想される。
　本講演では、契約実務への影響の観点から留意すべき民法改正の重点ポイントの解説を行う。

1. 民法改正の経過

2. 契約実務に関わる論点

(1) 消滅時効
(2) 保証
(3) 譲渡制限特約
(4) 定型約款
(5) 契約不適合責任
(6) 消費貸借
(7) 賃貸借と更改
(8) その他の論点

3. 主な改正事項

有吉 尚哉 (ありよし なおや) 氏

　主な業務分野は、金融取引、信託取引、金融関連規制等。2001年東京大学法学部卒業。02年西村総合法律事務所入所。10年～11年金融庁総務企画局企業開示課専門官。現在、西村あさひ法律事務所勤務。金融法委員会委員、日本証券業協会「JSDAキャピタルマーケットフォーラム」専門委員、武蔵野大学大学院法学研究科特任教授、京都大学法科大学院非常勤講師。

＜著書＞

　『金融とITの政策学』（金融財政事情研究会、18年、共著）、『ファイナンス法大全〔全訂版〕（上）・（下）』（商事法務、17年、共編著）、『新旧対照でわかる改正債権法の逐条解説』（新日本法規、17年、共編著）、『ここが変わった！民法改正の要点がわかる本』（翔泳社、17年）、『FinTechビジネスと法25講』（商事法務、16年、共編著）等。その他論稿多数。