第 3362 回

保険業務におけるフィデューシャリーデューティーの実践

~最新の保険監督行政の着眼点を踏まえて~

会場受講
2017年7月24日(月) 13:30~16:30
金融ファクシミリ新聞社
セミナールーム
東京都中央区日本橋小網町9-9
小網町安田ビル2階 地図
電話 03-3639-8858
当セミナーは全 回のシリーズ開催です。
1回のみでもお申込みいただけます。

講師

吉田 和央
森・濱田松本法律事務所 弁護士

講演趣旨

 金融庁が本年3月末に「顧客本位の業務運営に関する原則」を公表しました。これを受け、各金融事業者は、顧客本位の業務運営に関する方針の策定・公表を開始していますが、今後は当該方針に沿って具体的に取り組み、顧客の声を吸い上げ、必要に応じて方針を見直すといった能動的な対応が求められることになります。
 本セミナーでは、このような「顧客本位の業務運営に関する原則」への実務対応について、特に保険業務に焦点を当てて解説します。もとより、「顧客本位の業務運営に関する原則」の背景には、ルールベースからプリンシプルベースへの金融行政方針の移行があり、各金融事業者の創意工夫・競争を促すことで、顧客利益の最大化が図られることが期待されています。そのため、本セミナーにおいても、画一的な解(ミニマムスタンダード)を示すにとどまらず、金融庁が公表した金融行政方針、金融モニタリングレポート、金融検査結果事例集、事業者へのヒアリング結果なども含めた最新の保険監督行政の着眼点を踏まえつつ、ベストプラクティスの参考となる取組み事例などをできるだけ具体的にご紹介します。

補足案内

講演項目

1. 総論
(1) 「顧客本位の業務運営に関する原則」の策定の経緯と背景
(2) ルールベースからプリンシプルベースへ
(3) 検査マニュアル・監督指針の見直しの動き
(4) ベストプラクティスの手がかりをどこから得るか 
2. 各論
(1) 原則1:顧客本位の業務運営に関する方針の策定・公表等
方針の公表・改定の方法、スケジュールなど
(2) 原則2:顧客の最善の利益の追求
PDCAの取組みなど
(3) 原則3:利益相反の適切な管理
法令上の利益相反管理との関係など
(4) 原則4:手数料等の明確化
保険における手数料等の意義など
(5) 原則5:重要な情報の分かりやすい提供
比較推奨のベストプラクティスの例、販売手数料開示への対応など
(6) 原則6:顧客にふさわしいサービスの提供
意向把握、帳票管理等のベストプラクティスの例、高齢者対応など
(7) 原則7:従業員に対する適切な動機づけの枠組み等
業績評価体系、代理店の手数料体系、コミッションバイアスなど

講師紹介

吉田 和央 (よしだ かずお) 氏
 金融規制法対応、争訟・紛争解決、コーポレートガバナンス業務などに従事。とりわけ銀行・保険関連法務を専門とする。。2008年弁護士登録。2012年7月金融庁監督局保険課に出向(課長補佐)、同局総務課、銀行第一課、法令等遵守調査室を併任(~14年6月)。
<主な著書・論文>
 『詳解 保険業法』(金融財政事情研究会、2016)、「顧客本位の業務運営のための7大原則徹底研究」銀行研修社2017年2月号(2017、共著)、「InsurTech(インシュアテック)の本質と法的諸問題についての試論-保険版FinTechの可能性-」金融法務事情2061号(2017)、「震災と金融業務」ジュリスト1497号(2016、共著)、「遺伝子検査と保険の緊張関係に係る一考察-米国及びドイツの法制を踏まえて-」生命保険論集193号(2015)、『経営者保証ガイドラインと融資実務』(銀行研修社、2014、共著)、「融資一体型変額保険の販売に関与した融資銀行の責任」金融・商事判例増刊1411号(2013)など。