第 3964 回

マネロン対策・経済制裁リスク管理態勢の高度化とKYC・スクリーニング実務対応
~FATF第4次対日相互審及び金融庁ガイドラインへの対応、欧米規制の動向と影響、リスクベース・アプローチの実践手法を中心に~

会場受講
2019年7月4日(木) 13:30~16:30
金融ファクシミリ新聞社
セミナールーム
東京都中央区日本橋小網町9-9
小網町安田ビル2階 地図
電話 03-3639-8858
当セミナーは全 回のシリーズ開催です。
1回のみでもお申込みいただけます。

講師

高橋 大祐
真和総合法律事務所
パートナー弁護士 法学修士(米・仏・独・伊)

講演趣旨

 2019年に実施される予定のFATF対日相互審に向け、日本企業・金融機関は、マネロン・テロ資金供与対策(以下AML)の強化を強く求められている。このような状況をふまえ、金融庁は、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」(「金融庁ガイドライン」)を発表した上、2019年2月にはリスクベース・アプローチによるAMLリスク管理態勢の強化の観点から同ガイドラインを改訂した。一方、米国OFAC規制などの経済制裁規制の域外適用が活発化しており、経済制裁リスクを回避する観点から、日本企業・金融機関には、制裁対象者・制裁対象国に関するスクリーニングが求められており、金融庁ガイドラインも、このような要請をふまえた記載内容となっている。
 本セミナーでは、企業・金融機関によるリスクベース・アプローチの実践を継続的に支援してきた講師が、FATF第4次対日相互審・金融庁ガイドライン・欧米規制動向のポイントを説明した上で、リスクベース・アプローチによるAML・経済制裁リスク管理態勢の高度化ステップやデュー・ディリジェンス(DD)の方法について具体的に解説する。

補足案内

講演項目

1.FATF第4次対日相互審及び金融庁ガイドラインの概要
(1) FATF勧告の概要・対日相互審の状況
(2) 犯罪収益移転防止法の動向
(3) FATF第4次対日相互審の審査項目と他国審査動向
(4) 金融庁ガイドラインの背景・目的・位置づけ
―リスクベース・アプローチの実践の必要性
2.欧米のAML・経済制裁規制の動向概要と実務影響
(1) 欧米AML規制の動向-米国銀行秘密法(BSA)・KYCルール、米国BSA/AML検査マニュアル、EU第5次AML指令の内容・動向を中心に
(2) 欧米経済制裁規制の動向-米国OFAC規制の域外適用の動向とコンプライアンス・スクリーニング実務を中心に
(3) 欧米規制動向と金融庁ガイドラインの関係性
(4) 欧米規制動向の日本企業・金融機関への影響・教訓
3.リスクベース・アプローチによるAML・経済制裁DDとリスク管理態勢の高度化ステップ
(1) リスク評価書の作成における留意点
(2) AMLにおけるKYC・DDの実践手法
(3) 経済制裁規制におけるスクリーニング・DDの実践手法
(4) AML・経済制裁リスク管理態勢の高度化と留意点
4.AML・経済制裁コンプライアンスにおける実務上の留意点
(1) AML・経済制裁コンプライアンスの異同とDDにおける実例
(2) 各業態(主要行等、中小・地域金融機関、保険、証券等、資産運用ほか)特有の留意点

講師紹介

高橋 大祐 (たかはし だいすけ) 氏
 企業・金融機関に対し、マネー・ローンダリング、経済制裁をはじめとするグローバルコンプライアンス・レピュテーションマネジメント・危機管理に関する案件に対応するほか、社内規程整備・社内研修などの内部統制システム整備の支援も担当。日弁連弁護士業務改革委員会 CSRと内部統制PT副座長、国際法曹協会CSR委員会オフィサー、経済産業省「郵便物受取サービス業の犯罪収益移転防止法対応に係るガイダンス」検討会委員、ジェトロ新輸出大国エキスパート、早稲田大学日米研究所招聘研究員なども歴任。
<関連論文>
 「経済制裁規制の域外適用にどう対応するか」(ビジネス法務2016年4月号トレンドアイ)、「FinTech仮想通貨におけるマネロン・反社リスクの所在」(旬刊商事法務2133号)、「オバマ暴排大統領令と東京都暴排条例」(NBL966号、共著)、「グローバル時代の反社会的勢力対応」(NBL991・993号)、「緊迫する世界情勢下におけるグローバル危機管理」(NBL1015号巻頭言)、「グローバル時代のCSR法務戦略」(証券アナリストジャーナル2014年8月号)など多数。