第 4020 回

アルゴリズム・AIを活用した投資運用で想定される法的課題

会場受講
2019年9月12日(木) 9:30~11:30
金融ファクシミリ新聞社
セミナールーム
東京都中央区日本橋小網町9-9
小網町安田ビル2階 地図
電話 03-3639-8858
当セミナーは全 回のシリーズ開催です。
1回のみでもお申込みいただけます。

講師

有吉 尚哉
西村あさひ法律事務所
パートナー弁護士

講演趣旨

 近年、金融の分野でもAIを利用した様々な取組みが進められているが、AIの活用が期待される分野の一つが投資助言・投資運用の分野である。現時点では、人間が投資運用のアドバイスや判断を行うためのツールの一つとしてAIを用いるといった利用法が中心のようであるが、将来的にはアルゴリズムやAIが個々の投資判断を自動的に行う状況が生じる可能性もある。
 一方で、従来の投資に関する法的な枠組みは、人間が投資判断を行うことを前提にルールが作られ、運用されているものであり、アルゴリズム・AIにより自動的に投資判断がなされる取引は必ずしも想定されていない。従って、AI運用に関する法的課題などにつき議論を要するところである。
 本講演では、将来、「自立的」「自律的」に投資判断を行うAIが登場した場合に、その運用プロセスや結果などにどのような法的課題が想定されるかについて考察を行う。

補足案内

講演項目

1. 投資運用におけるアルゴリズム・AIの利用
2. AIによる投資運用と金融規制上の課題
(1)関係当事者と業規制の適否
(2)体制整備義務・適合性原則の考え方
(3)AIによる不公正取引
3. AIによる投資運用と私法上の課題
(1)損失が生じた場合の責任関係
(2)AIの利用に関する説明責任

講師紹介

有吉 尚哉 (ありよし なおや) 氏
 2001年東京大学法学部卒業。02年西村総合法律事務所入所。10年~11年金融庁総務企画局企業開示課専門官。現在、西村あさひ法律事務所勤務。金融法委員会委員、日本証券業協会「JSDAキャピタルマーケットフォーラム」専門委員、武蔵野大学大学院法学研究科特任教授、京都大学法科大学院非常勤講師。主な業務分野は、金融取引、信託取引、金融関連規制等。
<主な著書>
 『金融とITの政策学』(金融財政事情研究会、18年、共著)、『ファイナンス法大全〔全訂版〕(上)・(下)』(商事法務、17年、共編著)、『ここが変わった!民法改正の要点がわかる本』(翔泳社、17年)、『FinTechビジネスと法25講』(商事法務、16年、共編著)等。論稿多数