第 4055 回

情報システムの開発プロジェクトにおける契約等の法律問題とリスクマネジメント
~近時の裁判例を題材としたトラブル予防策の検討~

会場受講
2019年10月28日(月) 13:30~16:30
金融ファクシミリ新聞社
セミナールーム
東京都中央区日本橋小網町9-9
小網町安田ビル2階 地図
電話 03-3639-8858
当セミナーは全 回のシリーズ開催です。
1回のみでもお申込みいただけます。

講師

松島 淳也
松島総合法律事務所 弁護士

講演趣旨

 情報システムの紛争を予防するのは、システム開発の工程に関する専門知識が必要なのに加え、扱う文書も多いことから、難しいとの印象が持たれています。しかし、裁判例をよく分析してみると、一定の傾向が確認できます。傾向が明らかになれば、紛争予防対策を事前に練ることは可能です。
 本セミナーでは、IT関連の法的アドバイザリー業務に長年従事している講師が、情報システムの契約実務など、特に関心の高い点について説明します。また、過去に裁判所で争われ失敗となった裁判事例を題材とし、同様の失敗を事前に回避できるよう、実務にどう反映させるべきかについて解説します。

補足案内

講演項目

1 情報システムの開発プロジェクトにおける契約の種類
・多段階契約と一括請負契約
・準委任契約と請負契約
・見積額の説明方法
2 請負契約における「仕事の完成」の判断方法と法律上の効果
・「仕事の完成」の概念の重要性
・「仕事の完成」の判断方法
・「仕事の完成」と開発対象の特定との関係
3 契約解除の要件と効果
・仕事が未完成の場合の契約解除
・ベンダのプロジェクトマネジメント義務とユーザの協力義務
・瑕疵担保責任に基づく契約解除
4 ユーザの損害賠償請求に関する論点
・損害賠償の候補となる項目
・多段階契約における損害賠償の考え方
・人件費の考え方
5 ベンダの追加報酬に関する論点
・ベンダが追加報酬を請求できるのはどのような場合か
・追加報酬の請求方法

講師紹介

松島 淳也 (まつしま じゅんや) 氏
 早稲田大学大学院理工学研究科修了(1997年)、富士通株式会社へ入社、マイクロプロセッサーの開発および電子商取引システムの開発等に従事(1997年~2002年)、弁護士登録(2006年)、松島総合法律事務所設立(2017年)。システム開発や運用保守に関する紛争処理及び契約事務、ソフトウェアの知的財産権に関する紛争処理及び契約事務等、主にIT関連の法律業務に従事。
<著書>
 「システム担当者のための法律相談 受発注で泣かずにすむ本」(インプレスジャパン社)、「システム開発紛争ハンドブック~発注から運用までの実務対応~」(共著、レクシスネクシス・ジャパン)、「新版 システム開発紛争ハンドブック 発注から運用までの実務対応」(共著、第一法規)等多数。 所属研究会、検討部会: SOFTIC「システム開発紛争判例研究会」(2018年~)、IPA「モデル取引・契約書見直し検討部会/民法改正対応モデル契約見直し検討WG」(2019年~ )