第 4237 回

改正個人情報保護法とリクナビ問題・クッキーをはじめとするインフォマティブ・データ対応
~個人情報保護委員会の行政処分を受けないための対応は?日本型クッキーポリシーのひな型を提示~
【会場受講】【動画配信】

会場受講
2020年6月3日(水) 13:30~16:30
金融ファクシミリ新聞社
セミナールーム
東京都中央区日本橋小網町9-9
小網町安田ビル2階 地図
電話 03-3639-8858
当セミナーは全 回のシリーズ開催です。
1回のみでもお申込みいただけます。

講師

渡邉 雅之
弁護士法人 三宅法律事務所 シニアパートナー 弁護士

講演趣旨

 令和2年(2020年)3月10日、「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」 (「改正個人情報保護法」)が閣議決定され、国会に提出されました。
 本セミナーでは、改正の目玉である「提供元では個人データに該当しないものの、提供先において想定される情報の第三者提供について、本人同意が得られていること等の確認の義務付け」を中心に、改正個人情報保護法の解説をします。同論点は、リクナビ問題に端を発した改正であり、同改正の特に改正が予測されるクッキー(cookie)規制については、プラットフォーマーが公表している例等を詳細に分析します。

補足案内

●動画配信は、開催当日、ご都合により会場にお越しになれない方にご提供するサービスです。セミナー開催終了後、3営業日以内のご案内開始を予定しております。

講演項目

第1.提供元では個人データに該当しないものの、提供先において想定される情報の第三者提供について、本人同意が得られていること等の確認の義務付け
1 改正法の内容:提供先において同意が必要・提供元では確認・記録義務
2 提供元基準について(全てはこのことが無理解であったことが発端)
3 個人データの取扱いの委託としての整理は無理があるか?
4 改正の発端となったリクナビ問題
(1)12月14日勧告等において認定された「勧告の原因となる事実」
(2)勧告①(アンケートスキーム(2019年2月以前の仕組み))
(3)勧告②(アンケートスキーム化におけるイレギュラーケース)
(4)勧告③(プライバシーポリシースキーム(2019年3月以降))
5 DMPサービスにおいても、利用企業側でクッキーポリシー(インフォマティブデータポリシー)が必要となる。
➡具体的なひな型を提示
第2.その他の個人情報保護法の改正論点
1 個人の権利の在り方(GDPRの影響)
(1)利用停止・消去等の個人の請求権について、不正取得等の一部の法違反の場合に加えて、個人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合にも要件を緩和する。
(2)保有個人データの開示方法について、電磁的記録の提供を含め、本人が指示できるようにする。
(3)個人データの授受に関する第三者提供記録について、本人が開示請求できるようにする。
(4)6ヶ月以内に消去する短期保存データについて、保有個人データに含めることとし、開示、利用停止等の対象とする。
(5)オプトアウト規定により第三者に提供できる個人データの範囲を限定し、①不正取得された個人データ、②オプトアウト規定により提供された個人データについても対象外とする。
2 事業者の守るべき責務の在り方
(1)漏えい等が発生し、個人の権利利益を害するおそれがある場合に、個人情報保護委員会への報告及び本人への通知を義務化する。(現行法は努力義務):他国から遅れていた点
(2)違法又は不当な行為を助長する等の不適正な方法により個人情報を利用してはならない旨を明確化。:リクナビ問題による改正
3 仮名加工情報(GDPRの影響)
・定義・加工方法がほとんど匿名加工情報と同じ。利用の価値はほとんどなし!!
4 ペナルティの在り方
・委員かいによる命令違反・委員会に対する虚偽報告等の法定刑の引き上げ
➡1年以下の懲役・100万円以下の罰金
・データベース等不提供罪・委員会による命令違反の罰金について、法人に対して罰金刑を引き上げ(法人重科)

講師紹介

渡邉 雅之 (わたなべ まさゆき) 氏
 1995年東京大学法学部卒業。金融関連法や会社法全般に精通。プライバシー法制も専門分野のひとつ。執筆や講演活動も盛んで、懇切丁寧な解説には定評がある。