2012年のPFI法改正に導入されて以降、空港を中心に上工下水道やスタジアム・アリーナ、国際展示場、有料道路、発電事業などの国と地方自治体の幅広い領域に活用されはじめた。 そこで本講演では、40件を超える案件が形成されたコンセッション制度について、これまでの経緯やその制度上の特徴、主要な案件のパフォーマンス、関連企業のビジネスモデルへの影響などを検証しながら、現状と今後の方向性を評価する。 加えて、案件の増加と進化が進む中で見えてきた、民間企業によって経営されるインフラにおいて研究開発・導入される各種のデータマネジメント手法やこれを支えるデジタル技術の可能性についても内外の事例を踏まえて解説する。 福田隆之(アクセンチュア) 1 日本の社会資本が抱える課題 2 日本のPPP/PFI制度の抱える課題とコンセッション制度 3 コンセッション制度と指定管理者制度や民間委託・民営化との違い 4 断続的な法改正を通じたコンセッション制度の進化 5 コンセッション事業の主な成果とデジタル技術の活用 6 関連企業のビジネスモデル革新への影響 7 今後の方向性と制度上の課題 福田 隆之 (ふくだ たかゆき) 氏 野村総合研究所主任研究員、新日本有限責任監査法人エグゼクティブ・ディレクター/インフラPPP支援室長、内閣府大臣(内閣官房長官)補佐官を経て、2019年4月より現職。 専門は国及び地方の財政制度、PPP/PFI・コンセッション制度、インフラでのデジタル活用。国交省成長戦略会議委員としてコンセッション制度の立法化を提言し、大阪府・市特別参与や内閣官房未来投資会議分科会有識者としてその後の制度整備の提言や主要案件に関与。内閣府でも公共サービス改革担当として空港や上下水道などのコンセッションを含む改革について助言。現職ではインフラ関連企業の経営戦略・デジタル化戦略に助言する。 主な著書に『改正PFI法解説』や『入門インフラファンド』(共に東洋経済新報社)がある。 福田 隆之 アクセンチュア株式会社 ビジネスコンサルティング本部 ストラテジーグループ マネジング・ディレクター
M&Aは、成長戦略や競争力強化の方法として欠くことのできない経営上の選択肢の一つとなっています。実際、日本企業が売り手・買い手になったM&Aの件数は、10年前と比較しますと倍近くとなっています。 このように、M&Aは経営戦略として浸透しているものの、必ずしも一社が頻繁に行う取引ではないことも相俟って、M&A契約の基礎知識、交渉ポイント、マーケットスタンダードなどを把握する十分な機会が得られないという課題に直面される方もいらっしゃると思います。 そこで、本セミナーでは、M&A契約の基本構造をご説明した上で、表明保証・補償、前提条件、価格調整条項、違約金(ブレイクアップフィー)、M&Aの成功のために理解しておくべき、M&A契約の重要なポイントをわかりやすく解説します。 中野玲也(モリ) 1.はじめに - 自己紹介と本セミナーの狙い 2.M&Aのプロセスと手法ごとの契約類型 3.M&A契約の基本構造 4.M&A契約の主要条項と交渉ポイント 5.設例を用いたM&A契約の条項の検討 6.まとめ 中野 玲也 (なかの れいや) 氏 2007年一橋大学経済学部卒業、2010年早稲田大学法科大学院修了、2018年コロンビア大学ロースクール修了(LL.M., Harlan Fiske Stone Scholar受賞)。2012年1月、森・濱田松本法律事務所に入所。2018年から約1年間Weil, Gotshal & Manges LLP(ニューヨークオフィス)で執務。 国内の大型M&A案件や組織再編を多く手掛ける。米国、EU諸国、アジア諸国を中心としたクロスボーダー案件も多く取り扱っている。クロステック企業など国内外のスタートアップへの投資案件も数多く扱っている。また、大手テクノロジー企業やスタートアップのビジネスモデルの適法性の検証や、データの利活用に関する法的助言を行っている。 中野 玲也 森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士
個人情報保護に関する法令遵守が世界的に重要視され、日本でも、各社が個人情報保護法を遵守した安全管理体制の構築等に追われている。こうした中、M&A の分野においても、買収対象の企業に対するデューディリジェンスの段階における個人情報に関する調査や、買収の実行以降に生じる個人情報の取扱いに関する統合に関する問題等が重視されはじめている。 本セミナーでは、M&Aと個人情報の実務に精通した講師が、M&A の各段階で個人情報に関連して発生する実務上の問題点について、その問題の所在や対策等を解説する。 田浦一(アンダー) 1. M&A の各段階において発生する個人情報の問題(導入) 2. 対象会社の個人情報の取扱いに関する調査 (1)調査スコープの確定 (2)調査方法 (3)調査する項目 (4)調査結果に関する対応策(最終契約における対応等) 3.M&A の実行段階における個人情報の承継に係る問題 (1)承継に伴い必要となる手続 (2)デューデリジェンス段階での個人データの開示 4.M&A の実行後に生じる個人情報に関する問題 (1)利用目的による制限 (2)グループによる共同利用 (3)システムの切り分け等に関連する問題 (4)特定分野ガイドラインの適用 (5)外部向けプライバシーポリシーの統合の問題 田浦 一 (たうら はじめ) 氏 主な業務分野は、個人情報保護、規制当局対応・危機管理、インターネット関連法務、スタートアップ・ベンチャー企業支援、M&A、企業再編 その他会社法務全般。 2008年3月北海道大学法学部卒業、2010年3月北海道大学法科大学院修了、2011年弁護士登録(64期)、2015年1月当事務所入所、2019年ニューヨーク大学ロースクール修了(LL.M.)、2020年ニューヨーク州弁護士登録。2024年4月日本組織内弁護士協会(JILA)理事及び第3部会部会長就任。 田浦 一 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 スペシャル・カウンセル 弁護士
船舶ファイナンス取引は、伝統的なアセット・ファイナンス取引の一つですが、取引ストラクチャーが複雑であったり、パナマやリベリア、シンガポールをはじめとする海外の法律事務所との連携が必要となる案件も多いです。そのうえ、実務上、船舶特有の留意事項もあり、それらに留意する必要もあります。 さらに世界的な経済情勢の影響を受けて船価や傭船料が大きく変動する可能性があります。なかにはプロジェクト関係者の経済的な破綻等によりリストラクチャリングが必要となる案件がでてくる可能性も否定できません。 本セミナーでは、まず船舶ファイナンス取引の基本的な事項について、典型的なストラクチャーをもとに説明します。次に、各契約及び担保設定に関して、レンダーや投資家の立場から留意・検討するべきリスク要因を指摘しつつ、対応方法についても基礎からわかりやすく解説します。 水田直希(Pwc弁 1.船舶ファイナンスの概要 (1)船舶ファイナンスの必要性と特徴 (2)船舶ファイナンスにおけるリスク (3)典型的なストラクチャー 2.船舶ファイナンス (1)新造船に対するファイナンスと中古船に対するファイナンス (2)船舶売買契約 (3)金銭消費貸借契約 (a)取引条件とリスク対応 (b)シンジケートローンにおける留意点 (4)船舶抵当権設定契約 (a)船籍による違い (b)Quiet Enjoyment letter (5)傭船料譲渡担保契約 (a)裸傭船契約 (b)定期傭船契約 (6)保険金譲渡担保契約/保険金質権設定契約 (a)保険の種類 (b)対抗要件 (7)社員持分/株式質権設定契約 (8)その他 3.竣工前の船舶に対するファイナンス (1)ファイナンスの必要性 (2)発注者に融資する貸付人に提供される担保 (3)Refund guaranteeなど 4.質疑応答 水田 直希 (みずた なおき) 氏 司法修習後、2011年~2019年に裁判官として各種訴訟などを経験。退官後、大手信託銀行の法務部にて国内外の金融規制対応・金融取引に関連する法律問題全般を担当(2019年~2021年)。 2022年~PwC弁護士法人にて、船舶ファイナンスや不動産ファイナンスを含む各種金融取引のほか、再生可能エネルギー関連取引、民事信託を活用した事業承継案件等の経験を有する。 書籍:「各種法人の法務・税務・事業承継(中央経済社、2023)」 水田 直希 PwC弁護士法人 弁護士
M&Aにおける「特別委員会」は、もともと主にMBOや親会社による完全子会社化等の場面において取締役会の役割を補完・代替する独立の会議体として設置が行われてきました。近時では、同意なき買収提案の際にも特別委員会が設置され、特別委員会による答申内容が注目を集めています。 支配株主、経営者又は買収者から突然のM&Aの連絡・買収提案を受けた場合、特別委員会の設置要否を検討し、必要に応じてすみやかに組成・設置を行う必要があります。また、特別役員は既存の社外役員を中心に組成することとなるため、平時における社外役員の人選・構成にも留意が必要です。 本講座では、突然のM&A・買収提案等の有事に備えて予め検討しておくべき実務上のポイントについて、近時の実例も交えつつ解説します。 小林咲花(西村) 1.M&Aにおける「特別委員会」の役割 (1)特別委員会に期待される機能・役割 (2)特別委員会に関する規制 2.特別委員会の設置前段階における検討ポイント (1)特別委員会設置の要否 (2)特別委員会設置のメリット・デメリット 3.特別委員会の設置・運営上の留意点 (1)特別委員会設置の実務 (2)特別委員会の人選 (3)特別委員会の運営実務・スケジュール 4.特別委員会設置の実例と傾向 (1)特別委員会の設置状況と実例 (2)同意なき買収提案と特別委員会の設置・対応状況 小林 咲花 (こばやし さっか) 氏 クロスボーダー案件に強み。国内企業M&A部門への出向経験を活かし、国内外の企業のM&Aの戦略的支援の他、敵対的買収/アクティビスト対応にも精通。 2006年東京大学法学部(LL.B.)卒業、2008年東京大学法科大学院 (J.D.)修士課程修了、2016年 UC Berkeley, School of Law (LL.M.)卒業。2021年~2024年株式会社スカラ社外取締役、2023年~バリュー・クエスト・パートナーズ株式会社社外監査役 【主な論文等】 『「M&A特別委員会」設置・運営の実務』(共著、中央経済社、2024年)、『買収提案を受けたときの特別委員会の実務』(共著、経理情報,2024年)、『MBOや上場子会社の買収などで増加傾向 M&Aにおける特別委員会組成の実務』(共著、ビジネス法務,2021年)等 小林 咲花 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 パートナー弁護士(日本・ニューヨーク州・テキサス州)
バリュエーション(株価評価、事業価値評価)は、M&Aでは重要な検討事項の一つです。単に、社内の投資判断だけでなく、上場企業の場合には、株主への説明、会計上の検討材料と、多面的な説明が可能な内容であることが今日求められています。 本講は、企業価値、事業価値の基本を再整理し、DCF法、倍率法を中心に上場会社の会計関連評価の視点も交えて、評価実務の留意点を解説します。 なお、本講は、主に金融機関、証券会社の方等の顧客のM&Aに関与される方を対象としています。ですが、M&Aバリュエーションに興味のある方ならご経験のない方でも気軽に参加できるように分かりやすく説明します。 竹埜 1.はじめに~M&Aに関わる株価評価 ・評価にかかる“基準” ・会計基準の影響 ・株式価値の構成要素 ・ケーススタディー ・TOBの評価事例 2.株価評価アプローチと適用 ・評価基本手法 ・インカムアプローチ/DCF法 ・マーケットアプローチ/倍率法 ・コストアプローチ/純資産法 ・“年倍法”の注意点 3.DCF法の基本と留意点 ・計算手順と実務の留意点 ・割引率と資本コスト ・ケーススタディー ・事業計画の読み方 4.総合的な評価のポイント ・総合評価のポイント ・ディスカウント、プレミアム 5.まとめ~M&A評価の8箇条 竹埜 正文 (たけの まさふみ) 氏 1986年東北大学法学部卒業、日本長期信用銀行入行。中央監査法人、みすずフィナンシャル・アドバイザーズ(PwC)、米系評価会社、太陽有限責任監査法人を経て、2015年から現職。企業価値評価、無形資産評価、M&A、再編アドバイス等を担当。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。2012年IFRS財団の公正価値測定教育文書評価専門家グループメンバー。 著書『株式価値評価入門』(中央経済社)等。 竹埜 正文 株式会社クリフィックスFAS 取締役 マネージング・ディレクター
チャットサービスやSNS・コミュニティサービスからウェブサイト・アプリサービスの提供まで、業種を問わず、様々なオンラインサービスを提供される機会が増えています。こうしたオンラインサービスを提供するに当たっては、「電気通信事業法」への配慮が必要です。電気通信サービスの増加・多様化を背景として、2023年6月施行の改正電気通信事業法により、電気通信事業法が適用される範囲は大きく広がりました。電気通信事業法はもはや、インターネットプロバイダや携帯キャリアだけが気にしていれば足りる業法ではなく、オンラインサービスを提供する誰もが必ず押さえておくべき法律といえるでしょう。 本セミナーでは、総務省にて電気通信事業法改正の経験を有する弁護士が、オンラインサービス提供時のコンプライアンス対応に携わられる方々を対象として、オンラインサービスに適用される可能性の高い参入規制(届出制度)、通信の秘密の保護、外部送信規律をメインに、生成AIの活用やThird Party Cookieの利用制限など、近時のトピックと電気通信事業法の規律の関係を含め実務的な観点から取り上げます。 解説に当たっては、総務省のガイドライン等を参照しつつ基礎からわかりやすく、かつ具体的な実務対応の方法まで、すぐに活用できる知識をお伝えします。さらに講師が検討会の構成員として携わった、アプリサービスを対象とする総務省「スマートフォン プライバシー イニシアティブ」(改定後は「スマートフォン プライバシー セキュリティ イニシアティブ」)の7年ぶりの改定についても解説します。 呂佳叡(モリ) 1.電気通信事業法の参入規制 (1)登録・届出が必要なサービス (2)届出の実務 2.通信の秘密の保護 (1)通信の秘密の範囲 (2)利用者からの同意取得の方法 (3)生成AI利用サービス等に関する論点 3.外部送信規律 (1)影響範囲と規律内容 (2)実務対応 (3)Third Party Cookieの制限、代替サービス等の影響 4.特定利用者情報の適正な取扱いに係る規律 (1)影響範囲と規律内容 (2)実務対応 5.「スマートフォン プライバシー セキュリティ イニシアティブ」(SPSI) (1)策定・改定の経緯 (2)対象事業者・取組内容 (2)改定のポイントと実務的な影響 呂 佳叡 (ろ かえい) 氏 2014年森・濱田松本法律事務所入所、2021年~2022年まで総務省総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第二課にて電気通信事業法やガイドラインの改正、執行等に従事。通信の秘密・個人情報等の電気通信事業分野の利用者情報の取扱いに精通。2024年1月より構成員を務める総務省「利用者情報に関するワーキンググループ」では「スマートフォン プライバシー イニシアティブ」の改定作業に携わる。 【著作】 『グローバルデータ保護対応Q&A100』(共著、中央経済社、2024年)、「電気通信事業法改正—特定利用者情報の適正な取扱いに係る規律」(有斐閣ジュリスト、2024年)、「Cookie等をめぐる日米欧の規制の最新動向と実務対応」(商事法務NBL、2023年)、「ダークパターンに関する一考察—欧米の規制からの示唆」(共著、商事法務NBL、2023年) など。 呂 佳叡 森・濱田松本法律事務所 カウンセル弁護士
近時の経済環境の悪化から、企業の財務状態を改善するために、資本の増強や負債の圧縮が経営上の課題となることがあります。 かかる問題の改善手法としては、普通株式による公募増資やスポンサーによる第三者割当増資などの手法がまず考えられます。また、スポンサーによる優先株式(種類株式)を用いた第三者割当増資も検討に値します。更に、既存の負債を普通株式や優先株式(種類株式)などの資本に組み替えるための取引であるデット・エクイティ・スワップ(DES)が用いられることもあります。 本セミナーでは、企業の財務状況改善のためのファイナンスなどに法的アドバイス経験豊富な講師が、上場会社における優先株(種類株)とDESの活用、これらに必要な手続上の留意点などについて基礎から解説します。 1 デット・エクイティ・スワップ(DES)の意義 (1)DESの意義と特徴 (2)DESの具体的手法と法的性質 (3)DESに関する法令 2 優先株式(種類株式)の発行 (1)優先株式(種類株式)と普通株式の比較 (2)優先株式(種類株式)の設計 (3)発行要項と投資契約 (4)公的資金と種類株式 3 デット・エクイティ・スワップ(DES)に関する法務 (1)DES取引の法的手続 (2)スケジュール及びドキュメンテーションの概要 (3)検討すべき法的論点 4 おわりに 糸川 貴視 (いとかわ たかし) 氏 J-REITを含む様々な発行体による有価証券の発行案件等のキャピタルマーケット案件を含め、ファイナンス取引及びこれらに関連するファイナンス規制を中心に取り扱う。上場会社による普通株第三者割当案件、優先株や新株予約権付ローンの発行案件やDES取引(デットエクイティスワップ)案件など財務体質改善目的のスポンサー向け資金調達取引の経験も多数有する。 2006年京都大学法学部卒業。2008年京都大学法科大学院修了。2009年長島・大野・常松法律事務所入所。2015年Duke University School of Law卒業(LL.M.)。2021年パートナー就任。 糸川 貴視 長島・大野・常松法律事務所 パートナー弁護士
日本において不動産証券化のスキームが確立したのは2000年台の前半ころであり、私募ファンド案件においては、①一般法(会社法、商法)上の合同会社と匿名組合を組み合わせたGK-TKスキームと②特別法(資産の流動化に関する法律)上のTMKを利用したTMKスキームの2つが、国内案件とクロスボーダー(インバウンド)案件の両方で利用されています。最近ではこれに加え、デジタル技術の進化・活用が進んだことにより、セキュリティトークンを使用したSTOと呼ばれる新たな不動産投資スキームが利用されるようになってきています。 しかしながら、特定受益証券発行信託のみを利用したシンプルな不動産投資スキームは、古くからその不動産証券化における活用可能性が提唱されているにも関わらず、特定受益証券発行信託をビークルとするSTO案件が数多く行われるようになった現在においても、フルエクイティの案件は一部で存在するものの、エクイティとデット(ローン)を組み合わせたレバレッジ投資の案件その実務における活用事例はまだ存在しないように思われます。 本講演では、著書『ファイナンス法』で各種アセットファイナンスに共通する総論を体系的に解説した講師が、特定受益証券発行信託のみによる新たな不動産証券化スキームの法務と税務を解説します。本講演では、まず、不動産証券化で必要となる法務と税務のポイントを説明した上、次に、従来型の不動産証券化スキーム(GKーTKスキーム、TMKスキーム)とSTOスキームを解説し、続いて、これらと比較検討する形で特定受益証券発行信託スキームの特徴につき解説を行います。最後に、特定受益証券発行信託スキームを、クロスボーダー(インバウンド)案件と国内案件に分けた上、それぞれに固有の法務・税務の問題点につき検討と解説を行います。 酒井俊和(キャスト) I. 総論:不動産証券化に必要な法務と税務 1. 不動産証券化とは 2.不動産証券化に必要な法務と税務の基礎 3.従来型の不動産証券化スキーム(GK-TK、TMK)の特徴 4.最近の不動産証券化スキーム(STO)の特徴 II. 従来型の不動産証券化スキーム(私募ファンド)の概要 1.前提:公募ファンドと私募ファンド 2.不動産私募ファンド(その1):GK-TKスキーム 3.不動産私募ファンド(その2):TMKスキーム 4.従来型の不動産証券化スキームの課題 III. 最近の不動産証券化スキームの概要:STO 1.STOとは 2.STOによる不動産証券化スキームの概要 3.STOの法務(その1):受益証券発行信託 4.STOの法務(その2):トークン化有価証券(電子記録移転有価証券表示権利等) 5.STOの法務(その3):公募 6.STOの税務:特定受益証券発行信託 7.STOの課題 IV. 特定受益証券発行信託スキームの概要:既存の不動産証券化スキームとの比較 1.特定受益証券発行信託スキームの概要 2.既存の不動産証券化スキームとの比較(その1):GK-TKスキーム及びTMKスキームとの異同 3.既存の不動産証券化スキームとの比較(その2):STOとの異同 4.その他の不動産証券化スキームとの比較 V. 特定受益証券発行信託スキーム(その1):クロスボーダー案件 1.クロスボーダー(インバウンド)案件における特定受益証券発行信託スキームの概要 2.実務上の問題点(その1):税務 3.実務上の問題点(その2):法務 VI 特定受益証券発行信託スキーム(その2):国内案件 1.国内案件における特定受益証券発行信託スキームの概要 2.実務上の問題点(その1):税務 3.実務上の問題点(その2):法務 酒井 俊和 (さかい としかず) 氏 1995年横浜国立大学大学院国際経済法学研究科卒業 1999年弁護士登録 2003~2004年株式会社東京三菱銀行出向、2015年アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル、2020年3月ウィザーズ弁護士法人スペシャル・カウンセル、2021年7月弁護士法人キャストグローバル・パートナー、2020年6月株式会社四国銀行社外取締役、2020年2月株式会社病理学アソシエイツ法務部長就任。 専門分野は、ストラクチャード・ファイナンス、プロジェクトファイナンス、バンキング、アセット・マネジメント、金融規制など 主な著作は『ファイナンス法 – 金融法の基礎と先端金融取引のエッセンス』(商事法務、2016年) 酒井 俊和 弁護士法人キャストグローバル パートナー弁護士
近年、LBOファイナンスの市場は順調な拡大を続けており、大手銀行の取組の積極化のみならず、地方銀行等の新たなプレイヤーの参入も継続している。LBOファイナンスを用いた事業承継案件の増加にも伴い、産業界の新陳代謝・経済の活性化を促す資金供給手法として、LBOファイナンス市場の健全な発展に改めて注目が集まる中、日本におけるLBOファイナンスの契約実務にも、案件の特徴・性質に応じた多様な発展がみられるところである。特に、HoldCoファイナンスについては近年検討の増加が顕著であるが、その与信コンセプトや契約実務は一様ではなく、案件検討の初期段階から慎重な検討が求められることがある。 本講演では、大型案件から小規模事業承継案件まで、レンダー・スポンサーの双方において多様な案件でリーガル・アドバイザーを務める講師が、LBOファイナンスの基礎や近年の状況等を概説した上、HoldCoファイナンスの与信コンセプトの整理の方法や担保・保証を含めた契約上の手当のあり方を含む、最新の契約実務について解説する。 伯耆雄介(TMI) 1. LBOファイナンスの基本 a. LBOファイナンスとは b. LBOファイナンスの特徴 2. 貸付関連契約 a. 貸付契約 b. 担保協定 c. 連帯保証 3. 近時のLBOファイナンス a. 類型 b. 関連当局等の動き 4. 契約実務の発展 a. 概要 b. Certain Funds / Clean-up Default c. 担保・保証 d. 対象会社の規律 e. ネガティブ・コベナンツの合理化 5. HoldCoファイナンス a. 概要 b. HoldCoファイナンスの考え方と建付け c. 契約実務のポイント 伯耆 雄介 (ほうき ゆうすけ) 氏 取扱分野はLBOファイナンス/M&A/エネルギーなど。 2011年 3月一橋大学法学部法律学科卒業、2013年 3月東京大学法科大学院修了、2014年 12月東京弁護士会登録、2015年 1月TMI総合法律事務所勤務、2020年 9月大手石油・天然ガス開発企業出向、2020年12月King’s College London (Master of Laws in International Financial Law) 修了、2022年 1月TMI総合法律事務所復帰、2024年1月パートナー就任、現在に至る。The Best Lawyers in Japan: Ones to Watch(2025 Edition)選出。 論文 Chambers GLOBAL PRACTICE GUIDES - Acquisition Finance 2022 (Chambers and Partners 2022.05.26)など 伯耆 雄介 TMI総合法律事務所 パートナー弁護士
投資ファンドによる企業買収や事業承継における親族外承継など、わが国においてもM&Aの実務が定着したことを背景に、買収ファイナンス・LBOファイナンスの重要性が改めて注目されています。中小規模の案件の増加と共にプレーヤーの裾野も広がっており、地域金融機関等においては新たなビジネスチャンスにもなっています。 本セミナーでは、これまで多くの案件に携わってきた講師が、買収ファイナンスに関するストラクチャーや契約実務上の留意点、買収ファイナンスに取り組むために必要となるM&Aの知識等について、レンダー及びスポンサーの双方の観点から解説します。 末廣裕亮(モリ) 1.買収ファイナンスとは (1)基本ストラクチャー (2)買収ファイナンスの特徴 2.押さえておくべきM&Aの知識 (1)取引形態と留意点 (2)M&Aと買収ファイナンスの流れ 3.融資関連契約のポイント (1)融資契約の概要と構成 (2)融資契約の各条項の留意点 a. 貸付実行前提条件 b. 表明保証 c. コベナンツ d. 期限の利益喪失事由 (3)全資産担保の全体像 (4)株式担保の実務上の留意点 末廣 裕亮 (すえひろ ゆうすけ) 氏 2006年東京大学法学部卒業、2007年弁護士登録、森・濱田松本法律事務所入所。買収ファイナンス(LBOファイナンス)、プロジェクトファイナンス、再生ファイナンス等を始めとする金融取引を主要な取扱分野とし、レンダー側・スポンサー側を問わず多くの案件に関与してきた。近時はサステナブルファイナンス等のアドバイスも行う。 Chambers (Up and Coming - Banking & Finance)、 IFLR1000’s 32nd edition - Rising Star Partner (Project Finance)その他受賞歴多数。 著書・論文: 「買収ファイナンス」(角紀代恵他編『現代の担保法』(有斐閣)所収)等、多数。 末廣 裕亮 森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士
海外子会社における会計不正、役職員による取引関連の不正などの不祥事の発生は、年々クローズアップされてきております。ひとたび不祥事が発生しますと、社内外の委員会による調査、監査法人や取引所を始めとした関係各所への対応が同時並行で実施されていくこととなります。 最近発生している会計不正の事象や傾向から、発生時の対応ポイント、再発防止に向けた施策を押さえていただくことで、発生時の対応が円滑になります。また、そもそも不正を発生させないためには、グループ全体において内部統制を浸透させていくことが必要になり、特に海外子会社の統制は多くの企業において喫緊の課題になってきております。 本セミナーでは、中国、東南アジア等の海外子会社における不祥事発生時の実務上の対応のポイントと、グループにおける内部統制を中心に解説します。 篠原一生(TMI) 1.はじめに (1)上場企業を中心とする不正事案 (2)子会社不正の具体例 (3)危機管理・不正対応の基本スタンス 2.不祥事の発生時の実務対応(委員会組成~調査・フォレンジック対応) (1)不正調査の全体像 (2)最近の課徴金事例 (3)初動対応 (4)調査-調査対象 (5)調査-外部対応 (6)不正発覚後の対応スケジュール(参考事例) (7)フォレンジック 3.不正防止のためのグループ内部統制(海外子会社を中心に) (1)海外子会社の管理に関する主要な法令等・制裁・法的責任 (2)海外子会社を管理していく上での問題点 (3)海外子会社を管理するための方策 (4)特にリスクの高い子会社に関する留意点 篠原 一生 (しのはら いっせい) 氏 専門は、M&A、コーポレートガバナンス、不祥事対応。 2014年に第一東京弁護士会で弁護士登録。2018年9月から2019年3月まで慶應義塾大学総合政策学部講師(行政法・社会保障分野)を担当。2020年5月には南カリフォルニア大学ロースクールを修了(LL.M.,テクノロジー&起業関係法 Certificate取得)。 2020年10月に、TMIプライバシー&セキュリティコンサルティング株式会社(https://tmiconsulting.co.jp/)執行役員に就任(フォレンジック事業)。 篠原 一生 TMI総合法律事務所 弁護士
M&Aは、経営資源の強化や事業拡大、新規事業への参入など、経営戦略において有効な手段として重要な選択肢の1つになっています。 しかしながら、M&Aの成功率は3割程度とも言われており、失敗する企業は後を絶ちません。その原因の1つにデューデリジェンス不足が挙げられますが、限られた時間の中で完璧なデューデリジェンスを行うことも困難であり、デューデリジェンスで発見できなかった問題点については契約条項でカバーすることが非常に重要となります。 そこで、本セミナーでは、M&A契約の中で代表的な株式譲渡契約について、M&Aに失敗しないために重要なポイントを解説します。 山内大将(牛島) 1. 株式譲渡契約書の基本構造の解説 2. 主要条項の解説とレビューポイント (1)譲渡価額・価格調整 (2)クロージング・前提条件 (3)表明保証 (4)誓約 (5)補償 3. 質疑応答 山内 大将 (やまうち ひろゆき) 氏 2008年首都大学東京法科大学院修了、2009年弁護士登録、2018年米国Cornell Law School(LL.M.)修了。国内外の紛争案件、M&A、コーポレート、不動産ファイナンスを中心に、会社支配権争い、情報漏洩、不正会計、インサイダー取引等の不祥事対応など幅広く取り扱っている。 山内 大将 牛島総合法律事務所 パートナー 弁護士/ニューヨーク州弁護士
本講義は、海外企業とのM&A取引で使用されることが多い英文の株式譲渡契約(SPA)の典型例を題材として、実際のディールにおいて想定され得る事例のいくつかについてケーススタディを加えるものです。 講義内容は、昨年(2024年)の7月に、本講師によって行われた、『海外企業とのM&A契約(実践編) 〜株式譲渡契約(SPA)ケーススタディ〜 シリーズ2』の講義内容をベースとしつつ、その題材(事例)を改変した、同講義の「シリーズ3」として位置付けられるものとなります。 講義の前半部分(SPAの典型条項の解説。第1章)は、昨年7月の講義とほぼ同じ内容となりますが、後半のケースタディの章(第2章)は、今回のオリジナル仕様となります。 なお、講義の性質上、英文の株式譲渡契約(SPA)について一定の知識をお持ちの受講者の方を主な対象としていますが、当該案件のご経験値がない方でも気軽に参加できるよう、わかりやすいご説明を心がけます。 大槻由昭(アンダー) 第1章 株式譲渡契約(SPA)の典型条項の解説(おさらい) (1)クロージング前提条件 (2)売主の表明保証条項 (3)誓約事項(コベナンツ) (4)損害賠償に関する条項 (5)解除条項 等 第2章 【実践編】株式譲渡契約(SPA)の一例を題材に、いくつかの想定事例について考えてみる(※): (1)クロージングの前提条件が問題となる事例 (2)クロージング前における売主の表明保証違反の事例 (3)クロージング後における売主の表明保証違反の事例 (4)クロージング前におけるコベナンツ違反が問題となる事例 (5)クロージング後におけるコベナンツ違反が問題となる事例 ※第2章の具体的内容は、その表題を含め、現時点では未定です(およそイメージアップのために記載しているものです)。 大槻 由昭(おおつき よしあき) 氏 2004年東京大学法学部卒。同年弁護士登録。ニューヨーク州弁護士登録(2012年)。西村あさひ法律事務所に勤務(2004年~2022年)。2011年 米国University of Southern California Gould School of Law (LL.M.)卒業2011年 - 2012年 ロンドンのNorton Rose Fulbright法律事務所、及び香港のWoo Kwan Lee & Lo法律事務所勤務。 近時は専ら、資源エネルギー事業に携わる企業(日系企業及び海外の企業)のM&Aその他の取引等を多く取り扱っている。代表例として、日系の資源エネルギー企業による、海外企業の企業買収や海外企業との合弁事業、あるいは、海外の鉱山開発会社等による日本での鉱業権の取得又は、それに関連するM&A等のディールに深く携わっている。 大槻 由昭 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業 スペシャル・カウンセル弁護士
本講演では、伝統的資産への投資、VCファンドのみならず、PE、不動産、インフラなどオルナタティブ投資など様々なアセットへの投資に活用されている投資事業有限責任組合にLP投資家として出資するにあたっての留意点を詳述します。 スキームに関する法的チェックポイントの確認、タームシート段階での諸条件の交渉、サイドレターの交渉などから社内検討・説明のための論点整理など、LP投資を実行するために必要な分析・検討・交渉のポイントを、サンプルのタームシートチェックリスト、整理メモなども用いながら解説します。 また、ファンド契約の内容についても、初歩的なものからある程度複雑なものまで必要に応じて説明するほか、資産運用立国実現プランに関連して、「ベンチャーキャピタルにおいて推奨・期待される事項」、スチュワードシップ・コードなどによる影響についても説明します。 大井修平(TMI) 1.はじめに-ファンド投資の基本事項 (1)投資アセットの分類、スキームの仕組み、関連当事者 (2)ファンドの種類毎のファンド契約の特徴 (3)ファンドのデューデリジェンスのポイント (4)各投資家毎の金融規制への対応 2.ファンド契約の分析・検討・交渉ポイント (1)加入ステージの確認・ドキュメンテーションの流れ (2)タームシートの確認(運営管理、費用その他経済条件、利益相反管理など) (3)諸条件の許容度分析・マーケットスタンダードとの比較 (4)タームシート段階・ファンド契約交渉段階での確認・交渉事項 (5)ベンチャーキャピタルにおいて推奨・期待される事項、スチュワードシップ・コードなど投資家としての考慮要素 3.サイドレターの交渉ポイント (1)サイドレターの意義・目的 (2)サイドレターの検討項目 4.リスク、諸条件の整理 (1)投資リスクの最終確認 (2)投資に際しての内部資料作成 大井 修平 (おおい しゅうへい) 氏 主な取扱い分野は、金融レギュレーション、ファンド取引、ストラクチャード・ファイナンス、アセットマネジメント。2005年立教大学法学部卒、2013年ロンドン大学クイーン・メアリー卒(LL.M.)、2009年衆議院議員政策担当秘書、2013年ドバイのシモンズ・アンド・シモンズ法律事務所勤務、2014年から2016年まで金融庁監督局証券課課長補佐として勤務し、適格機関投資家等特例業務の制度改正等に携わる。 VC・PEファンド、不動産ファンドの組成のほか、機関投資家等の投資家側としてファンド契約の交渉、作成に携わる。 大井 修平 TMI総合法律事務所 弁護士 カウンセル
海外子会社において不正が発覚するケースは枚挙にいとまがありません。ただ、海外子会社の距離的な原因や法律・制度の違いから対応に躊躇しがちなことは現地子会社側も把握しており、統制の弱みに付け込まれないよう管理を徹底することが必要です。 他方で、コスト高や海外駐在員希望者の減少等によって、駐在員に子会社のリスク管理を任せることの限界もあります。近時は、法律的な観点からも、日本親会社による子会社の管理責任を問われる傾向にあります。 本セミナーでは現地実務者から見た海外子会社の管理の現実及び不正事例をご紹介するとともに、日本親会社の目線で、どのような点に注意して、海外子会社(主に中国子会社)の内部統制を改善していくべきか解説します 古矢義和(日星)・森進吾(明利国際) (1)海外子会社の現実 ①現地の内部統制の方向性 ②海外子会社の不正の傾向 ③日本親会社による子会社管理の法的責任の内容 (2)不正事例(法務面) 不正報告書開示事例の具体的分析 講師が直面した不正問題 (3)不正事例(財務・税務面) ①業務上の横領 ②誤りの意図的な隠蔽 ③課税負担額の調整 (4)不正発覚時・問題発覚時の対応 ①不正を発見するために必要な対応 ②発覚時の対応 ③問題社員への処分 古矢 義和 (ふるや よしかず) 氏 日本国公認会計士。税理士法人山田&パートナーズ・有限責任監査法人トーマツの勤務後、シンガポール及び中国へ赴任し、現地子会社の内部統制構築支援などの業務に従事。現在は日本・中国において事務所を開設し、両面で内部統制の構築のサポートを行っている。中国語に堪能であり、日本人・日系企業のクライアントだけでなく、外国人・外資系企業のクライアントまで幅広く対応している。 森 進吾 (もり しんご) 氏 日本法弁護士。東京の法律事務所で企業法務の経験を積んだ後、2015年から2018年まで上海に滞在。その間、中国国内で有数の大学へ留学し、中国大手法律事務所で研修・勤務し、日本弁護士としてのノウハウを活かしつつ、高度な中国語と中国法への深い造詣を活かしつつ、中国弁護士と共同して、日系企業向けの中国ビジネス法務に対応する。その後、現在まで、中国越境EC、模倣品対策・知財対応(商標、著作権及び特許権)、日系中国企業の労務やM&A、中国個人情報保護法などの分野にて、多数の日系企業に対して日々リーガルサービスを提供している。 古矢 義和 日星国際相続事務所 代表社員 公認会計士・税理士
海外子会社において不正が発覚するケースは枚挙にいとまがありません。ただ、海外子会社の距離的な原因や法律・制度の違いから対応に躊躇しがちなことは現地子会社側も把握しており、統制の弱みに付け込まれないよう管理を徹底することが必要です。 他方で、コスト高や海外駐在員希望者の減少等によって、駐在員に子会社のリスク管理を任せることの限界もあります。近時は、法律的な観点からも、日本親会社による子会社の管理責任を問われる傾向にあります。 本セミナーでは現地実務者から見た海外子会社の管理の現実及び不正事例をご紹介するとともに、日本親会社の目線で、どのような点に注意して、海外子会社(主に中国子会社)の内部統制を改善していくべきか解説します 古矢義和(日星)・森進吾(明利国際) (1)海外子会社の現実 ①現地の内部統制の方向性 ②海外子会社の不正の傾向 ③日本親会社による子会社管理の法的責任の内容 (2)不正事例(法務面) 不正報告書開示事例の具体的分析 講師が直面した不正問題 (3)不正事例(財務・税務面) ①業務上の横領 ②誤りの意図的な隠蔽 ③課税負担額の調整 (4)不正発覚時・問題発覚時の対応 ①不正を発見するために必要な対応 ②発覚時の対応 ③問題社員への処分 古矢 義和 (ふるや よしかず) 氏 日本国公認会計士。税理士法人山田&パートナーズ・有限責任監査法人トーマツの勤務後、シンガポール及び中国へ赴任し、現地子会社の内部統制構築支援などの業務に従事。現在は日本・中国において事務所を開設し、両面で内部統制の構築のサポートを行っている。中国語に堪能であり、日本人・日系企業のクライアントだけでなく、外国人・外資系企業のクライアントまで幅広く対応している。 森 進吾 (もり しんご) 氏 日本法弁護士。東京の法律事務所で企業法務の経験を積んだ後、2015年から2018年まで上海に滞在。その間、中国国内で有数の大学へ留学し、中国大手法律事務所で研修・勤務し、日本弁護士としてのノウハウを活かしつつ、高度な中国語と中国法への深い造詣を活かしつつ、中国弁護士と共同して、日系企業向けの中国ビジネス法務に対応する。その後、現在まで、中国越境EC、模倣品対策・知財対応(商標、著作権及び特許権)、日系中国企業の労務やM&A、中国個人情報保護法などの分野にて、多数の日系企業に対して日々リーガルサービスを提供している。 森 進吾 明倫国際法律事務所 弁護士
企業が事業活動を行うに当たり、カーボンニュートラル(CN)への取組みがますます重要となっています。CN実現のための一つの方策として、再生可能エネルギー電気を調達するコーポレートPPA(Power Purchase Agreement)を導入する動きが広がっています。需要家の屋根等に太陽光発電設備を設置して需要家に電気を供給するオンサイトPPAのほか、オフサイトPPAやバーチャルPPAも増加しています。 本セミナーでは、各コーポレートPPAについて説明した上で、コーポレートPPAのための再エネ発電所の開発・取得・運営において生じるトラブルとその対応について、最近の裁判例も踏まえて説明します。また、コーポレートPPAの各契約条項について解説します。今後改正が予定されているRE100の技術要件(Technical Criteria)にも言及します。 深津功二(TMI) 1.コーポレートPPA (1) フィジカルPPA(オンサイト) (2) フィジカルPPA(オフサイト) 自己託送を含む (3) バーチャルPPA 2.再エネ発電所の開発・取得・運営におけるトラブルとその対応 3.コーポレートPPAの各契約条項 4.RE100の技術要件の改正案 深津 功二 (ふかつ こうじ) 氏 1988年東京大学法学部卒業、11年の社会人生活を経て、2004年弁護士登録、07年よりTMI総合法律事務所勤務。2014年1月パートナー就任。主な業務分野は、再生可能エネルギープロジェクト、プロジェクトファイナンス等の金融全般、エネルギー関連案件等。 主な著書・論文は、「再生可能エネルギーの法と実務」(民事法研究会、2013)、「再生可能エネルギー発電事業のM&A」(電気新聞2017年8月22日~28日)、「脱炭素に向けての世界の動き、日本の動きと法制度」、「脱炭素への企業等の自主的な取組みとそのメリット」、「再エネ電気の調達と環境価値取引」(いずれも、会社法務A2Z(2023年8月))、「自己託送制度の見直し」(エネルギーフォーラム2024年4月号)、「脱炭素に向けての法制度の動向と留意点」(会社法務A2Z(2024年8月)) 深津 功二 TMI総合法律事務所 パートナー弁護士
「上場会社に対する敵対的M&A」が新聞紙上を賑わせている。しかし、「敵対的M&A」は上場会社に限らず非上場会社にも起こりうる。 にもかかわらず、大部分の非上場会社では、「株式の譲渡につき取締役会の承認が必要である」との定めが定款にあるので、取締役会を掌握していれば「敵対的M&A」など心配する必要はないと考えている。だが、会社側は決して安心できない。取締役会の承認を得なくとも買収側が株式を買い集めることは事実上可能だ。買収側が過半数の株式を買い集めた後、株主総会で委任状により自分サイドの取締役を選任し、取締役会が株式譲渡を承認すれば、買収側は目的を達成できるのである。 また、「非上場会社の敵対的M&A」は、弁護士業務で言えば、特許事件等に匹敵する「専門事件」であるので、会社は専門の弁護士に依頼したり本格的に対応する必要があるが、「通常事件」だと誤解し、安易な対応をした結果買収されてしまう会社も少なくない。 そこで本講演は、非上場会社の「敵対的M&A」を多く扱っている講師が、「非上場会社の敵対的M&Aにおける攻撃側と防御側双方の問題点と対処法」と題して行う。 高村隆司(高村) 12月段階では、講演項目を具体的に特定することが難しく、後日掲載します。 高村 隆司 (たかむら たかし) 氏 昭和の末から複数の銀行・証券会社のM&A仲介部門の手伝いを始め、多数の「友好的M&A」を扱ってきた。近年は非上場会社の「敵対的M&A」を多く扱っている。 1977年東京大学法学部卒業、1979年弁護士登録、1996年弁理士登録。東京弁護士会所属。同会税務特別委員会委員(元委員長)・同会会社法部部員・同会独占禁止法部部員(元事務局長)・同会信託法部部員。日本弁理士会特許委員会委員。 主な著書: 『実戦 非上場会社の敵対的M&A』(中央経済社)『法務Q&A 非上場会社の支配権獲得戦』(中央経済社)など多数。 高村 隆司 高村隆司法律事務所 所長 弁護士
生成AIのビジネス活用が進む反面、ディープフェイクやハルシネーション(幻覚)などの技術的・社会的リスク、知的財産・データ保護などの法的リスクなど多様なリスクが浮き彫りになり、AIガバナンスが求められ始めています。国内でもソフトローを中心とする我が国ではガイドラインの整備が進められており(経済産業省・総務省「AI事業者ガイドライン」、文化庁「AIと著作権に関する考え方」、内閣府「AI時代の知的財産権検討会 中間とりまとめ」)、各事業者はこれらの最新動向を踏まえた生成AIの活用を求められています。 本セミナーでは、AI事業者ガイドラインの策定に携わり、「生成AI法務・ガバナンス」を上梓した中崎弁護士が、AI事業者ガイドラインの生成AIをめぐる法務・ガバナンスの多岐にわたるトピックを概観した上で、各事業者が注意すべきポイントについて解説します。 中崎尚(アンダー) 1.生成AIの法務リスク (1)著作権その他の知的財産権 (2)個人情報 (3)機密情報 (4)その他の法務リスク 2.AI倫理と生成AI (1)AI倫理とは何か (2)幻覚・誤情報 (3)バイアス・公平性 (4)プライバシー (5)透明性 3.AIガバナンス (1)AIガバナンスとは何か (2)AI事業者ガイドラインの概要 (3)事業者に求められる対応 中崎 尚 (なかざき たかし) 氏 2001年弁護士登録、アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所、2008年米国Columbia University School of Law (LL.M.)修了、2009年夏まで米国ワシントンD.C.のArnold & Porter法律事務所に勤務。アンダーソン・毛利・友常法律事務所に復帰後は、インターネット・IT・システム関連を中心に、知的財産権法、クロスボーダー取引を幅広く取扱う。経産省「AI事業者ガイドライン ワーキング・グループ」構成員、日本国際知的財産保護協会編集委員、経産省「おもてなしプラットフォーム研究会」委員、経産省「AI社会実装アーキテクチャー検討会作業部会」構成員、経産省「IoTデータ流通促進研究会」委員、経産省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン検討会」委員、内閣府「メタバース官民連携会議」委員、International Association of Privacy Professionals (IAPP) Co-Chairを歴任。本年1月パートナーに就任。 著書・著述: 『生成AI法務・ガバナンス』(商事法務、2024年4月)、『Q&Aで学ぶGDPRのリスクと対応策』(商事法務,2024年度中に第2版を刊行予定)、『Q&Aで学ぶメタバース・XRビジネスのリスクと対応策』(商事法務、2023年3月)、『エンターテインメント法務Q&A〔第3版〕』(民事法研究会、2021年),『医薬・ヘルスケアの法務』(商事法務、2020年),『著作権判例百選 第6版』(有斐閣、2019年)、『生成AIをめぐる米国・中国における近時の裁判状況』(NBL 1229号 (2022.11.1))、『生成AIの出力結果について、AI提供事業者の責任を認めた世界初の裁判例(広州ウルトラマン事件)』(NBL 1264号 (2024.4.15))ほか多数。 中崎 尚 アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 パートナー弁護士 経済産業省「AI事業者ガイドライン ワーキング・グループ」構成員
生成AIのビジネス活用が進む反面、ディープフェイクやハルシネーション(幻覚)などの技術的・社会的リスク、知的財産・データ保護などの法的リスクなど多様なリスクが浮き彫りになり、AIガバナンスが求められ始めています。 AIガバナンスのあり方をめぐっては、EU(AI規則)・中国(生成人工知能サービス管理暫定弁法)のように法規制に積極的な法域、バランスを重視する法域と各国の対応は様々です。これらの規制では域外適用の規定を設けるのみならず、また、GDPRのように世界標準となることで取引先から遵守を求められるなど、国内事業者への多大な影響が想定されています。 本セミナーでは、EU のAI規則・GDPRとAIの関係及び中国の規制を中心に、海外の規制動向を俯瞰し、国内事業者の求められる対応を検討します。 中崎尚(アンダー 1.世界各国のAIガバナンスの規制動向 (1)広島AIサミット(広島AIプロセス) (2)英国 AI安全サミット(ブレッチリー宣言) 2.EU AI規則とGDPRその他の周辺ルール (1)施行スケジュール (2)規制の枠組み (3)基本概念 (4)事業者の義務 (5)新・製造物責任指令 (6)AI責任指令案 (7)GDPRとAI 3.中国のAIガバナンス (1)施行状況と裁判動向 (2)規制の枠組み (3)生成人工知能サービス管理暫定弁法 (4)広州ウルトラマン事件 4.米国のAIガバナンス (1)AI権利章典 (2)AI の安全な開発及び利用に関する大統領令 (3)トランプ政権への移行の影響 5.その他各国のAIガバナンス (1)英国 (2)カナダ (3)韓国 (4)シンガポール (5)オーストラリア 中崎 尚 (なかざき たかし) 氏 2001年弁護士登録、アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所、2008年米国Columbia University School of Law (LL.M.)修了、2009年夏まで米国ワシントンD.C.のArnold & Porter法律事務所に勤務。アンダーソン・毛利・友常法律事務所に復帰後は、インターネット・IT・システム関連を中心に、知的財産権法、クロスボーダー取引を幅広く取扱う。経産省「AI事業者ガイドライン ワーキング・グループ」構成員、日本国際知的財産保護協会編集委員、経産省「おもてなしプラットフォーム研究会」委員、経産省「AI社会実装アーキテクチャー検討会作業部会」構成員、経産省「IoTデータ流通促進研究会」委員、経産省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン検討会」委員、内閣府「メタバース官民連携会議」委員、International Association of Privacy Professionals (IAPP) Co-Chairを歴任。本年1月パートナーに就任。 著書・著述: 『生成AI法務・ガバナンス』(商事法務、2024年4月)、『Q&Aで学ぶGDPRのリスクと対応策』(商事法務,2024年度中に第2版を刊行予定)、『Q&Aで学ぶメタバース・XRビジネスのリスクと対応策』(商事法務、2023年3月)、『エンターテインメント法務Q&A〔第3版〕』(民事法研究会、2021年),『医薬・ヘルスケアの法務』(商事法務、2020年),『著作権判例百選 第6版』(有斐閣、2019年)、『生成AIをめぐる米国・中国における近時の裁判状況』(NBL 1229号 (2022.11.1))、『生成AIの出力結果について、AI提供事業者の責任を認めた世界初の裁判例(広州ウルトラマン事件)』(NBL 1264号 (2024.4.15))ほか多数。 中崎 尚 アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 パートナー弁護士 経済産業省「AI事業者ガイドライン ワーキング・グループ」構成員
上下水道事業は、市民生活や産業に不可欠な自治体運営のインフラ事業であり、近年では水道・下水道いずれも、整備拡張の時代を終え、持続・運営・更新の時代へと転換しようとしている。しかしながら、ヒト(職員減)・モノ(資産老朽化)・カネ(需要減少)の各観点で課題が山積している状況にある。今後の事業経営の展開を見渡すと、広域化・共同化や官民連携の推進が活路として模索されており、各地域で広域化に向けた取り組みが進展している。 また官民連携は、下水道事業を中心に浜松市や宮城県などで6件のコンセッション方式が導入されているが、令和5年6月に国から「ウォーターPPP」が新たなPPP手法として提示され、今後約10年で水道下水道で200件の導入が目標として掲げられるなど、大きな動きが生じている。また、管路のデザインビルド(DB)や包括委託なども各地で導入が増加しているほか、秋田県では、広域的に官民出資会社が事業を担うモデルも導入されようとしている。 本講義では、わが国の上下水道事業の経営、財務、運営体制等に関する制度や現状、官民連携や広域化の取組みについて解説し、今後の上下水道事業における広域化や官民連携の想定される動きについて詳説する。 福田健一郎・松村隆司 1.上下水道事業の現状 (1)上下水道事業の制度 (2)上下水道事業の経営状況と施設老朽化などの現状 (3)将来の水道料金の見込み 2.事業変革の動きと広域化 (1)事業統合の動き (2)秋田県における広域的事業補完組織設立の動き等 3.PPP/PFI/コンセッションの解説 (1)PPPやコンセッションに関する主要な論点 (2)国内外事例の紹介 (各種コンセッション事例の紹介) 4.「ウォーターPPP」の解説 (1)ウォーターPPPに関する主要な論点 (2)先行類似事例の紹介 (群馬県東部、荒尾市など) (3)ウォーターPPPに関する予算等推進方策の状況 5.今後の上下水道分野における広域化・PPP/PFI動向 6.関連質疑応答 福田 健一郎 (ふくだ けんいちろう) 氏 2007年早稲田大学政治経済学部卒、同年株式会社野村総合研究所入社、2012年EY参画。水道事業、下水道事業を中心とした公益事業、公営インフラ経営を専門とする。上下水道事業体の経営戦略策定や料金改定関係業務、官民連携(PPP/PFI、コンセッション)導入・参入支援、欧米諸国の上下水道事業の制度調査業務などに多数携わる。超党派水制度改革議連「水循環基本法フォローアップ委員会」委員、神奈川県内広域水道企業団新ビジョン策定委員、国土交通省PPPサポーター(上下水道担当)。 松村 隆司 (まつむら たかし) 氏 2004年京都大学大学院工学研究科修士修了、同年株式会社荏原製作所(現・水ing株式会社)入社、2013年EY参画。水道事業、下水道事業、ガス事業等のインフラ経営を専門とし、コンセッション導入支援をはじめとしたPPP/PFIアドバイザリー業務、中央省庁における上下水道関連の政策アドバイザリー業務、上下水道事業体における中長期経営計画策定支援及び経営改善支援に従事。技術士(上下水道部門)、環境計量士(濃度関係)。 福田 健一郎 EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 インフラストラクチャー・アドバイザリー アソシエートパートナー
上下水道事業は、市民生活や産業に不可欠な自治体運営のインフラ事業であり、近年では水道・下水道いずれも、整備拡張の時代を終え、持続・運営・更新の時代へと転換しようとしている。しかしながら、ヒト(職員減)・モノ(資産老朽化)・カネ(需要減少)の各観点で課題が山積している状況にある。今後の事業経営の展開を見渡すと、広域化・共同化や官民連携の推進が活路として模索されており、各地域で広域化に向けた取り組みが進展している。 また官民連携は、下水道事業を中心に浜松市や宮城県などで6件のコンセッション方式が導入されているが、令和5年6月に国から「ウォーターPPP」が新たなPPP手法として提示され、今後約10年で水道下水道で200件の導入が目標として掲げられるなど、大きな動きが生じている。また、管路のデザインビルド(DB)や包括委託なども各地で導入が増加しているほか、秋田県では、広域的に官民出資会社が事業を担うモデルも導入されようとしている。 本講義では、わが国の上下水道事業の経営、財務、運営体制等に関する制度や現状、官民連携や広域化の取組みについて解説し、今後の上下水道事業における広域化や官民連携の想定される動きについて詳説する。 福田健一郎・松村隆司 1.上下水道事業の現状 (1)上下水道事業の制度 (2)上下水道事業の経営状況と施設老朽化などの現状 (3)将来の水道料金の見込み 2.事業変革の動きと広域化 (1)事業統合の動き (2)秋田県における広域的事業補完組織設立の動き等 3.PPP/PFI/コンセッションの解説 (1)PPPやコンセッションに関する主要な論点 (2)国内外事例の紹介 (各種コンセッション事例の紹介) 4.「ウォーターPPP」の解説 (1)ウォーターPPPに関する主要な論点 (2)先行類似事例の紹介 (群馬県東部、荒尾市など) (3)ウォーターPPPに関する予算等推進方策の状況 5.今後の上下水道分野における広域化・PPP/PFI動向 6.関連質疑応答 福田 健一郎 (ふくだ けんいちろう) 氏 2007年早稲田大学政治経済学部卒、同年株式会社野村総合研究所入社、2012年EY参画。水道事業、下水道事業を中心とした公益事業、公営インフラ経営を専門とする。上下水道事業体の経営戦略策定や料金改定関係業務、官民連携(PPP/PFI、コンセッション)導入・参入支援、欧米諸国の上下水道事業の制度調査業務などに多数携わる。超党派水制度改革議連「水循環基本法フォローアップ委員会」委員、神奈川県内広域水道企業団新ビジョン策定委員、国土交通省PPPサポーター(上下水道担当)。 松村 隆司 (まつむら たかし) 氏 2004年京都大学大学院工学研究科修士修了、同年株式会社荏原製作所(現・水ing株式会社)入社、2013年EY参画。水道事業、下水道事業、ガス事業等のインフラ経営を専門とし、コンセッション導入支援をはじめとしたPPP/PFIアドバイザリー業務、中央省庁における上下水道関連の政策アドバイザリー業務、上下水道事業体における中長期経営計画策定支援及び経営改善支援に従事。技術士(上下水道部門)、環境計量士(濃度関係)。 松村 隆司 EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 インフラストラクチャー・アドバイザリー ディレクター
第7次エネルギー基本計画の策定に向けた議論が佳境を迎えております。 2040年度に向けたエネルギー需給に関する計画を策定すると共に、定量的な長期エネルギー需給見通しを示すことになります。 2020年の発送配電分離で一応の完成をみた電力システム改革ですが、市場参入者は大幅に増えたものの、需給逼迫等の影響は軽視できず、「容量市場」「需給調整市場」、そして「同時市場」導入を検討している我が国の電力市場はどのように変貌を遂げていくのでしょうか。 エネルギー基本計画の、その先を見据えた2050年電力需給や、各市場の在り方について、資源エネルギー庁や電力広域的運営推進機関で審議会委員を務め、「エネルギー業界の憲法」と言える「エネルギー政策基本法」起草に携わった講師により、幅広い視点で解説します。 市村健(エナプール) 1.容量市場(含 長期脱炭素オークション)等の㎾価値に対する評価と今後のあり方 2.需給調整市場(三次調整力・二次調整力・一次調整力)に対する評価と今後のあり方 3.同時市場の実現性 4.第7次エネルギー基本計画とGX2040ビジョンについて 5.質疑応答 市村 健 (いちむら たけし) 氏 慶應義塾大学商学部卒。米国ジョージタウン大学院MBA修了。1987年東京電力株式会社入社。本店原子燃料部にてカナダ・ウラン鉱山権益買収プロジェクト、世界原子力協会(本部ロンドン)事務局を担務の後、本店総務部にて広報渉外・政策調査・官庁調整・危機管理業務等のエネルギー政策全般に17年に亘り従事。その間、議員立法である「エネルギー政策基本法」起草にも携わる。2014年6月 東京電力を退社。同年7月より現職。 委員等受嘱の政府審議会(2024年12月現在)は以下の通り。 ・資源エネルギー庁 次世代の分散型電力システムに関する検討会 ・資源エネルギー庁 ERAB検討会 ・資源エネルギー庁 同時市場の在り方等に関する検討会 ・電力広域的運営推進機関 調整力及び需給バランス評価に関する委員会 ・電力広域的運営推進機関 需給調整市場検討小委員会 ・電力広域的運営推進機関 将来の電力需給シナリオに関する検討会 主著に「電力システム改革の突破口 DR・VPP・アグリゲーター入門」「電力セキュリティーエネルギー安全保障がゼロからわかる本」(共にオーム社)等。 市村 健 エナジープールジャパン株式会社 代表取締役社長兼CEO
いよいよバーゼルⅢ最終化の期日が迫ってきました。「株式の400%リスク・ウェイト問題」、「不動産のLTVとリスク・ウェイト」、「FRTBと外国為替リスク」など、金融機関のリスク管理実務にも影響を及ぼす論点が盛りだくさんです。 本講座では、機関投資家向け営業の世界で長年バーゼル規制の実務に従事してきた現役の金融コンサルタントである講師が、バーゼル規制のそもそもの成り立ちや経緯を踏まえ、おもに自己資本比率規制に関する「実務の勘所」をじっくり解説します。 金融機関の経営企画部門、リスク管理部門、資金運用部門の実務家の皆さま、証券会社等の機関投資家営業の皆さまに好適です。 岡本修(新宿)Basel1 1.流れでわかる金融規制 (1)バーゼル規制とは (2)バーゼルⅢ最終化 2.自己資本比率の「分子」 (1)自己資本の定義 (2)ダブルギアリング 3.自己資本比率の「分子」 (1)標準的手法と内部格付手法 (2)デリバティブ等のリスクアセット (3)信用リスク削減手法 (4)CVAとCCP 4.バーゼルⅢ最終化 (1)BCBSレポート (2)我が国の告示 (3)FRTB (4)経過措置 5.リスクアセット各論 (1)金融庁のQ&A (2)証券化エクスポージャー (3)ファンドのエクイティ出資 (4)仕組債のリスク・ウェイト 岡本 修(おかもと おさむ)氏 1998年慶応義塾大学商学部卒業、国家公務員採用一種試験(経済職)合格。2000年中央青山監査法人入社。2002年朝日監査法人(現・有限責任あずさ監査法人)入社。2004年公認会計士開業登録。2006年みずほ証券入社。9年間、債券営業セクションにて金融機関を中心とするソリューション営業に従事。2015年、金融商品会計と金融規制に特化したコンサルティング・ファームの合同会社新宿経済研究所を設立、現在に至る 主な著書 『詳解バーゼルⅢによる新国際金融規制』(共著、中央経済社、2012年)、『金融機関のための金融商品会計ハンドブック』(東洋経済新報社、2012年)、『国内行向けバーゼルⅢによる新金融規制の実務』(共著、中央経済社、2014年)、『外貨建投資・ヘッジ戦略の会計と税務』(中央経済社、2015年)、『ファンド投資戦略の会計と税務』(中央経済社、2017年)、『デリバティブ投資戦略の会計実務』(中央経済社、2017年)、『すらすら金融商品会計』(中央経済社、2018年) 岡本 修 合同会社新宿経済研究所 代表社員社長 公認会計士
金利上昇、インフレ、経済成長――。ながらくデフレが続いてきた日本経済にも大きな変化の兆しが生じています。 本講演では、金融機関の運用制約である有価証券・デリバティブ会計とこれによるリスク管理・トレードアイデアについて、金融商品会計と金融規制の専門家である講師が、財務諸表の構造とともに解説。あわせて金融機関のALM部門で現在、関心が高まっている金利リスクの包括ヘッジについても、分かりやすく説明します。 金融機関の経営企画部門、リスク管理部門、資金運用部門の実務家の皆さま、証券会社等の機関投資家営業の皆さまに好適です。 岡本 修 1.財務諸表の基本構造 2.有価証券会計 (1)保有目的区分の基本 (2)外貨建会計の基本 3.デリバティブ投資戦略とデリバティブ規制 (1)デリバティブとは (2)デリバティブ投資戦略 (3)デリバティブ規制 4.デリバティブ会計 (1)ヘッジ会計とその使い勝手 (2)銀行業のヘッジ会計の特例 (3)複合金融商品会計 (4)ファンド投資とデリバティブ会計 岡本 修(おかもと おさむ)氏 1998年慶応義塾大学商学部卒業、国家公務員採用一種試験(経済職)合格。2000年中央青山監査法人入社。2002年朝日監査法人(現・有限責任あずさ監査法人)入社。2004年公認会計士開業登録。2006年みずほ証券入社。9年間、債券営業セクションにて金融機関を中心とするソリューション営業に従事。2015年、金融商品会計と金融規制に特化したコンサルティング・ファームの合同会社新宿経済研究所を設立、現在に至る 主な著書 『詳解バーゼルⅢによる新国際金融規制』(共著、中央経済社、2012年)、『金融機関のための金融商品会計ハンドブック』(東洋経済新報社、2012年)、『国内行向けバーゼルⅢによる新金融規制の実務』(共著、中央経済社、2014年)、『外貨建投資・ヘッジ戦略の会計と税務』(中央経済社、2015年)、『ファンド投資戦略の会計と税務』(中央経済社、2017年)、『デリバティブ投資戦略の会計実務』(中央経済社、2017年)、『すらすら金融商品会計』(中央経済社、2018年) 岡本 修 合同会社新宿経済研究所 代表社員社長 公認会計士
日本企業の行ったM&Aが2024年は過去最多となり、今後もさらなる増加が見込まれていますが、その主たる要因の一つとして、不採算事業や非中核事業の分離・売却が増えていることが挙げられています。市場やアクティビストからの資本効率の向上の要請、新型コロナの業績への影響、社会ニーズに沿った事業ポートフォリオの見直しの喫緊の必要性などから、より一層の事業運営の効率化が求められており、中長期の事業戦略から外れる事業、コア事業とのシナジーが少ない事業、安定的な収益はありつつも将来的な発展が見込めない事業等の事業売却を断行していくことが求められています。 ただ、特に近年の事業売却においては、投資ファンドによる買収も多く、売主側としてもそれに伍したM&Aへの深い理解・知識が必要です。また、事業売却はその性質上、法的スキームの工夫にはじまり、Seller DDの方法、ガン・ジャンピング対応、承継契約・資産の処理、人事労務の問題、技術・ブランドを含む知的財産権の取扱い、表明保証のあり方や関連契約の内容など、案件の検討開始からストラクチャリング、DD、最終契約、クロージングに至るまで、各プロセスにおいて多岐にわたる問題点が存在します。 本セミナーでは、これらの事業売却において特に売主側に立った場合に留意しなければならない法的ポイントを、実務の観点からさらに一歩踏み込んで解説いたします。 龍野滋幹(アンダー) 1、事業売却・買収の法的スキームの検討 2、Seller DDとは 3、承継事業にかかる諸論点 ・承継契約・資産 ・人事労務の問題 ・技術・ブランドを含む知的財産権 4、最終契約上の問題 ・売主として理解すべき条項の有利・不利 ・表明保証 ・関連契約 5、事業売却案件のポイント 龍野 滋幹 (たつの しげき) 氏 2000年東京大学法学部卒業。2002年弁護士登録、アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所。2007年米国ニューヨーク大学ロースクール卒業(LL.M.)。2008年ニューヨーク州弁護士登録、2007年から2008年にかけてフランス・パリのHerbert Smith法律事務所にて執務。2014年11月から東京大学大学院薬学系研究科・薬学部「ヒトを対象とする研究倫理審査委員会」審査委員。国内外のM&A、JV、投資案件やファンド組成・投資、AI・データ等の関連取引・規制アドバイスその他の企業法務全般を取り扱っている。週刊東洋経済2020年11月7日号「「依頼したい弁護士」分野別25人」の「M&A・会社法分野で特に活躍が目立つ2人」のうち1人として選定。 【主なセミナー】 「M&A即戦力育成講座~講師による徹底した課題ワーク個別指導でM&Aの総合力をアップ(全6回)」、「CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)の組成とスタートアップ投資法務」、「機密情報防衛の最前線 ~従業員の持ち出しリスクへの対応を中心に」、「グループ会社管理の視点と実務対応-買収によるグループ化、ガバナンス、リスクマネジメントなど」、「不祥事対応の最新実務~初動対応、AI等を用いた近時の調査手法から危機予防体制の構築まで~」、「医薬・ヘルスケアの法務の理解」、など多数。 龍野 滋幹 アンダーソン・毛利・友常 法律事務所 外国法共同事業 パートナー弁護士
英語での交渉に苦手意識を感じている方も多く、テレワークによるオンラインでの英語交渉は「雰囲気から感じ取ってもらう」ことも難しいため、さらにハードルが上がっています。 一朝一夕で英語は上達しません。しかし、交渉で使える英語の喋り方には実践的な「コツ」があります。このコツさえ知っておけば、英語にコンプレックスを感じずに自信を持って交渉に臨むことができます。 そこで本講演では、英語塾での長期講師経験を持ち、海外での交渉・取引経験で数々の修羅場をくぐってきた百戦錬磨の国際弁護士が、国際ビジネス最前線の現場での生々しい体験談を踏まえ、すぐに使える実践的フレーズや交渉術のポイントをわかりやすくお伝えします。 中山達樹(中山) 1 国際ビジネスのルール・プロトコル (1)6×6×36の法則/ハンバーガーの法則/メラビアンの法則/エトスの重要性 (2)自己紹介やスピーチのコツ/ユーモアを利かせるコツ/英語の「型」/西洋化の証とは (3)英語を「軽蔑」すべき? -「手段」としての英語/ブレークスルーの作り方 2 「話す」 (1)英語の発声法の日本語との決定的違い -「上唇」と「腹」を意識する! (2)すぐに使える「超」実践的フレーズ -約60例+200の暗唱例文 (3)会議を「支配」するテクニック -「非言語的」情報をどう伝えるか? (4)国際電話のコツ -事前準備の仕方・心構え/なぜ「箇条書き」はNGなのか? 3 「書く」 (1)パラフレーズの重要性/Plain Englishの書き方/形式面・ナンバリングの整え方 (2)オススメの、表現・教材・書籍・論証パターン・アプリ・ツール(ソフト)など 4 交渉術 (1)アリストテレスの弁論術/弁証法/「戦略」と「戦術」の違い/「返報性の原理」等 (2)交渉のCase Study -自社利益を「最大化」するためには?プロフェッショナルとは? (3)契約の鉄則は? 契約でおさえるべきポイントは? その他、良いメールの書き方など 中山 達樹 (なかやま たつき) 氏 1998年東京大学法学部卒業。2010年シンガポール国立大学ロースクール(アジア法専攻)修了。2010~2011年シンガポールのDrew & Napier法律事務所勤務。2015年8月中山国際法律事務所開設。2013年中小機構国際化支援アドバイザー。2016年公認不正検査士。2022年経営倫理士。 『グローバル・ガバナンス・コンプライアンス』『インテグリティ -コンプライアンスを超える組織論』(中央経済社)をはじめとする著書論文、また講演実績多数。 中山 達樹 中山国際法律事務所 代表弁護士 インテグリティ・エバンジェリスト 経営倫理士
近年、ベンチャーキャピタル・ファンド(VCファンド)を通じたスタートアップ企業への投資が活況を呈しています。事業シナジー等を目的とした大企業によるCVCファンドの設立も活発に行われており、そのスキームも多様化する傾向にあります。スタートアップ企業への投資・成長資金供給を促進するための各種施策も関係各所において盛んに議論されており、こうしたトレンドは今後も続くことが予想されます。 本セミナーでは、多数のVCファンド/CVCファンドの設立・運営をサポートしてきた講師が、VCファンドに関わる法律実務について基礎から分かりやすく解説します。 山内達也(堀) 1.ファンド設立・運営の基礎知識 (1)VCファンドとは? ・投資ファンドとは?VCファンドとは? ・VCファンドのビジネスモデル (2)VCファンドのスキーム ・VCファンド(LPS)の基本的なスキーム ・VCファンドでLPSが用いられる理由 ・金融機関がLPとなる場合の留意点(銀行法に基づく議決権保有規制等) ・CVCにおけるスキーム類型 (3)LPS法のポイント ・LPSの事業目的・投資対象の制限 ・無限責任組合員(GP)の資格制限 ・有限責任組合員(LP)による業務執行への関与 (4)金商法(適格機関投資家等特例業務)のポイント ・組合型ファンドに関する金商法規制の全体像 ・適格機関投資家等特例業務の実体要件 ・適格機関投資家等特例業務の手続要件 ・適格機関投資家等特例業務に関する行為規制 ・GPの忠実義務・善管注意義務(ケーススタディ) (5)ファンド契約のポイント ・ファンドへの出資に関する事項 ・ファンドの投資活動に関する事項 ・ファンドのガバナンスに関する事項 ・ファンド財産の持分・分配に関する事項 ・GPの報酬・費用に関する事項 ・ファンド構成員の脱退・変動に関する事項 (6)その他の関係法令 ・犯収法 ・金融サービス提供法、消費者契約法 ・金商法(大量保有報告制度、インサイダー取引規制等) ・ロックアップによる売却制限 ・外為法 ・米国法の各種規制 2.スタートアップ投資の基礎知識 (1)エクイティファイナンスの基礎知識 ・デットとエクイティ ・第三者割当増資とは? ・株価/株数と時価総額の関係 ・保有議決権割合と株主の権利 ・株価/株数と時価総額の関係(ケーススタディ) ・各シリーズにおける議決権放出割合の目安 (2)優先株式の設計・ポイント ・優先株式とは? ・優先株式が用いられる理由 ・スタートアップ投資における優先株式の設計 ・配当/残余財産分配における優先権 ・みなし清算 ・プットオプションとコールオプション ・希薄化防止のメカニズム ・その他のアレンジ (3)投資契約・株主間契約のポイント ・投資契約とは?株主間契約とは? ・優先株式との違い・棲み分け ・投資契約の主な内容 ・株主間契約の主な内容 ・株主分配合意書の主な内容 (4)コンバーティブル・セキュリティのポイント ・コンバーティブル・セキュリティとは? ・コンバーティブル・エクイティの仕組み (5)CVCによるスタートアップ投資の留意点など (6)近時のトピック・立法動向等 山内 達也 (やまうち たつや) 氏 堀総合法律事務所・ジュニアパートナー弁護士(第二東京弁護士会)、株式会社KiteRa・監査役。弁護士登録後、ソフトバンクグループ株式会社の社内弁護士として国内・海外のM&A・ファイナンス案件、スタートアップへの投資案件等に多数従事したのち、現職。各種金融機関(銀行・証券・信託・VC/CVC等)やFintech企業をクライアントとした金融法務を中心に企業法務全般を取り扱う。 《主要著書・論文》「2022年資金決済法等改正に係る政府令案を踏まえたステーブルコイン規制のポイント」、『新たな信託ソリューションと法務―円滑なM&A・事業承継等のために』(共著)、『金融機関の法務対策6000講』(共著)、『スタンダード 営業店の金融法務』(共著)、『相続法改正と金融実務Q&A』(共著)など多数 山内 達也 堀総合法律事務所 ジュニアパートナー弁護士
2023年から2024年にかけての企業内容等開示府令の改正によって、有価証券報告書や臨時報告書での企業・株主間のガバナンス(役員指名権、事前承諾権等)に関する合意、株式処分・買増し等に関する合意、ローン・社債の財務コベナンツといった、いわゆる「重要な契約」の開示が拡充されました。この改正が適用されるのは2025年4月以降の開示書類ですので、今まさに改正後の開示への対応作業が必要です。 本セミナーでは、開示書類の作成実務を担う企業担当者や、ローン・社債実務を担う金融機関担当者を主な対象に、この春から始まる「重要な契約」開示拡充について、制度の概要のほか、開示対象の整理・守秘義務への配慮などを含む実務対応・事前準備上の留意点を、基礎から分かりやすく解説します。 月岡崇・水越恭平(長島) 1. 改正の経緯・制度の概要 (1)金融商品取引法の開示制度 (2)ディスクロージャーWG報告の提言 2. 企業・株主間のガバナンスに関する合意 (1)対象となる「ガバナンスに関する合意」とは? (2)企業(上場会社)側の実務対応 (3)株主側の実務対応 3. 企業・株主間の株式保有に関する合意の開示 (1) 対象となる「株式保有に関する合意」とは? (2)企業(上場会社)側の実務対応 (3)株主側の実務対応 4. 財務上の特約(財務コベナンツ)の開示 (1)対象となる「財務上の特約(財務コベナンツ)」とは? (2)借入人(上場会社)側の実務対応 (3)貸付人(金融機関)側の実務対応 5. 質疑応答 月岡 崇 (つきおか たかし) 氏 キャピタルマーケットにおける証券発行とそれに伴う開示実務、バンキング(シンジケートローン、プロジェクトファイナンス、買収ファイナンス、セキュリティトラスト等)、ファクタリング、信託や債権流動化等のストラクチャードファイナンス取引といった国内外のファイナンス取引や、金融規制法分野を主に取り扱う。 1999年弁護士登録、2004年Columbia Law School卒(LL.M.)、2004-2005年米国Shearman & Sterling法律事務所(現A&O Shearman)勤務。バンキングやキャピタルマーケットに関する著述や論文多数。 水越 恭平 (みずこし きょうへい) 氏 国内外での株式・社債その他の証券の発行を始めとする金融取引、開示規制を含む金融規制法に関するアドバイスを行うとともに、上場会社のコーポレート・ガバナンス体制整備・事業再生局面にある上場会社による資金調達に関しても豊富な経験を有する。 2010年弁護士登録、2016年University of Washington, School of Law卒(LL.M.)、2016-2018年東京証券取引所上場部勤務。 月岡 崇 長島・大野・常松法律事務所 パートナー 弁護士
2023年から2024年にかけての企業内容等開示府令の改正によって、有価証券報告書や臨時報告書での企業・株主間のガバナンス(役員指名権、事前承諾権等)に関する合意、株式処分・買増し等に関する合意、ローン・社債の財務コベナンツといった、いわゆる「重要な契約」の開示が拡充されました。この改正が適用されるのは2025年4月以降の開示書類ですので、今まさに改正後の開示への対応作業が必要です。 本セミナーでは、開示書類の作成実務を担う企業担当者や、ローン・社債実務を担う金融機関担当者を主な対象に、この春から始まる「重要な契約」開示拡充について、制度の概要のほか、開示対象の整理・守秘義務への配慮などを含む実務対応・事前準備上の留意点を、基礎から分かりやすく解説します。 月岡崇・水越恭平(長島) 1. 改正の経緯・制度の概要 (1)金融商品取引法の開示制度 (2)ディスクロージャーWG報告の提言 2. 企業・株主間のガバナンスに関する合意 (1)対象となる「ガバナンスに関する合意」とは? (2)企業(上場会社)側の実務対応 (3)株主側の実務対応 3. 企業・株主間の株式保有に関する合意の開示 (1) 対象となる「株式保有に関する合意」とは? (2)企業(上場会社)側の実務対応 (3)株主側の実務対応 4. 財務上の特約(財務コベナンツ)の開示 (1)対象となる「財務上の特約(財務コベナンツ)」とは? (2)借入人(上場会社)側の実務対応 (3)貸付人(金融機関)側の実務対応 5. 質疑応答 月岡 崇 (つきおか たかし) 氏 キャピタルマーケットにおける証券発行とそれに伴う開示実務、バンキング(シンジケートローン、プロジェクトファイナンス、買収ファイナンス、セキュリティトラスト等)、ファクタリング、信託や債権流動化等のストラクチャードファイナンス取引といった国内外のファイナンス取引や、金融規制法分野を主に取り扱う。 1999年弁護士登録、2004年Columbia Law School卒(LL.M.)、2004-2005年米国Shearman & Sterling法律事務所(現A&O Shearman)勤務。バンキングやキャピタルマーケットに関する著述や論文多数。 水越 恭平 (みずこし きょうへい) 氏 国内外での株式・社債その他の証券の発行を始めとする金融取引、開示規制を含む金融規制法に関するアドバイスを行うとともに、上場会社のコーポレート・ガバナンス体制整備・事業再生局面にある上場会社による資金調達に関しても豊富な経験を有する。 2010年弁護士登録、2016年University of Washington, School of Law卒(LL.M.)、2016-2018年東京証券取引所上場部勤務。 水越 恭平 長島・大野・常松法律事務所 パートナー 弁護士
経済のグローバル化に伴い、多くの日本企業が海外子会社を有し、又は海外輸出による売上高を計上するようになっています。その結果、クロスボーダーM&Aのみならず、日本国内企業同士のM&Aであっても、海外競争当局に対する企業結合届出(以下「海外届出」といいます。)が必要となる場合が増えています。 M&A案件において、デューデリジェンスや契約交渉と比較すると、企業結合届出は軽視されがちです。しかしながら、特に海外届出への対応を誤れば、クロージング前提条件の未成就によりディールがブレークしたり、届出義務違反によりペナルティを受けたりするおそれがあります。そのため、海外届出は、M&Aにおける重大なリスク要因といえます。 そこで、本セミナーでは、M&Aにおける重大なリスク要因となり得る海外届出の実務対応に関して、M&A当事会社の法務担当者が押さえるべき勘どころを分かりやすく解説します。また、講師の豊富な実務経験に基づき、特に海外届出の経験の浅い法務担当者が留意すべき点もご紹介します。 奥村文彦(TMI) 1. 企業結合届出とは 2. 海外届出の重要性 (1)クロージングへの影響 (2)ペナルティのリスク 3. 海外届出対応の流れ (1)届出要否の初期的検討 (2)現地弁護士の選定 (3)届出の準備及び実施 (4)届出完了後の対応 4. 法務担当者が押さえるべき勘どころ (1)初期的検討の早期実施 (2)届出を意識したスキーム及びスケジュール (3)他のタスクとの兼ね合い (4)必要情報の事前準備 (5)将来のM&Aへの影響 (6)日本法弁護士の活用 (7)費用負担の事前合意 5. まとめ 6. 質疑応答 奥村 文彦 (おくむら ふみひこ) 氏 2013年弁護士登録。2015年10月~2016年10月インドの Luthra & Luthra Law Offices(ニューデリーオフィス及びムンバイオフィス)勤務。2019年5月米国のColumbia Law School修了(LL.M., Harlan Fiske Stone Scholar)。2019年9月~2020年8月経済協力開発機構(OECD)パリ本部金融企業局競争課勤務。 2020年6月米国ニューヨーク州弁護士登録。日本及び海外の競争当局に対する企業結合届出の豊富な知識及び経験を有し、上場企業のクロスボーダーM&Aを含む多種多様なM&A案件において、日系企業を中心に企業結合届出対応をサポートしている。 奥村 文彦 TMI総合法律事務所 カウンセル弁護士
再エネ電源への併設蓄電池へのインセンティブ付与と系統を安定化させることができる系統側蓄電池への経産省や東京都の補助金交付により、2012年に固定価格買取制度が始まったころと同じように、地方の不動産事業者等が、土地利用権と系統接続をセットにして、系統側蓄電池の開発事業者にプロジェクトの権利を売却するというビジネスモデルで系統の接続検討申込を提出している。 東北電力管内で30.9GW、北海道電力管内で8.56GW分、九州電力管内で11.8GWの接続検討申込が提出された。日本全国で88GWに達する。接続契約受付は6.2GW。 海外から系統側蓄電池の開発事業者も続々と上陸している。経産省の系統側蓄電池の補助金案件で2件(各25億円)の獲得を支援し、2023年3月に北海道で50MWの系統側蓄電池案件取得の支援を行い、 長期脱炭素電源オークションの入札支援をし、落札(100MW超)を勝ち取った経験に基づき、系統側蓄電池事業のビジネスモデルと注意点を解説する。最新のオフテイク契約についても解説する。EPC契約とファイナンス契約がポイントとなる。 FIT/FIP価格の下落から、再エネ発電所の開発はコーポレートPPAに移りつつある。実際に発電側は自前のPPAを作成して営業を始めており、需要側のGAFAを中心とする大口購入者は自前のPPAの雛形を用いて再エネ非化石価値を調達し、再エネ発電所の開発を支援しようとしている。 本講演では、それらの実務と法務についても解説する。 江口直明(ベーカー) 1.蓄電池の活用 (1)再エネ併設蓄電池 (2)系統側蓄電池 (3)太陽光・風力・蓄電池のハイブリッド発電 2.系統側蓄電池の位置づけ 3.系統側蓄電池の補助金と長期脱炭素電源オークション 4.系統側蓄電池の実務と契約 オフテイクモデル、EPC契約と融資契約 5.コーポレートPPAの現状(海外と日本) 6.コーポレートPPAの種類(フィジカルとバーチャル) 7.コーポレートPPAの契約 8.コーポレートPPAとプロジェクトファイナンス 9.質疑応答 江口 直明 (えぐち なおあき) 氏 ベーカー&マッケンジー法律事務所、金融グループ所属、再生可能エネルギーグループのリーダー。 系統側蓄電池経産省補助金申請支援(2件、各25億円)、系統側蓄電池50MWの接続契約の地位及び土地取得、長期脱炭素電源オークション入札支援(49MWその他4ヶ所)及び落札者(100MW超)のEPC及びファイナンス契約交渉支援港湾洋上風力(響灘220MW等2件)、長崎県五島市沖浮体式洋上風力等ラウンド1一般海域洋上風力発電入札支援2件等、ラウンド2洋上風力落札者支援合計1.5GW超、北海道幌延、北海道さらきとまない、北九州響灘、青森県六ヶ所村、愛媛県三崎町、秋田県八竜、石川県輪島、秋田港等、陸上風力累計17件、300MW超。 取扱太陽光案件:丸紅大分82MW、ソフトバンクエナジー苫東安平111MW(蓄電池併設)等の大規模案件、累計250件超、3,000MW超、屋根貸し案件、Corporate PPA、 取扱バイオマス案件:吾妻木質バイオマス発電(13MW)、向浜バイオマス発電(20MW)、石狩バイオマス50MW, 50MW×4と75MW×3の輸入木質バイオマス発電案件等累計500MW超、岩手松尾八幡平地熱(7.5MW)、北海道南茅野地熱発電(6.5MW)等15MW超 その他の案件:IGCC福島石炭ガス化複合発電1,080MW(3,000億円超)、相馬港天然ガス火力発電1,180MW(1,400億円)等プロジェクトファイナンス、 仙台空港、関西空港(入札支援)、福岡空港、熊本空港、北海道7空港(3,651億円インフラファイナンス)、広島空港等の民活空港案件。大阪ユニバーサルスタジオ向けプロジェクトファイナンス(1,250億円) 。 1986年一橋大学法学部卒業、1988年東京弁護士会登録、 1992年ロンドン大学(UCL)法学修士(国際ビジネス法)取得、1993年ベーカー&マッケンジーロンドン事務所勤務。 内閣府PFI推進委員会専門委員(2010年~2020年) 日本風力発電協会(JWPA)洋上風力金融タスクフォースリーダー(2020年~)。 主な論文:「洋上風力発電金融ガイドブックVol.1/2」(日本風力発電協会 共著)、「日本におけるプロジェクト・ファイナンスの立法課題」(ジュリスト1238号)、「アジアにおけるプロジェクトファイナンス」(OKAJI)他 江口 直明 ベーカー&マッケンジー法律事務所 パートナー弁護士 金融グループ所属、再生可能エネルギーグループリーダー
1997~98年に起きた金融不況による不動産価格の下落以来、REITを含む投資用不動産への投資は、今では収益還元法による価格で意思決定されており、不動産鑑定評価書及びER(エンジニアリングレポート)の取得は不可欠です。また、社会経済情勢が激変する中で、近年、急激に低下した利回りはピークを迎え、不動産融資・投資に係るリスクや将来予測には、精緻な分析が必要です。 本セミナーでは、不動産鑑定評価に長く従事し多くの実績を持つ講師が、融資・投資における不動産に関する重要知識を再整理し、関係者の皆様に基礎からわかりやすく実務的な視点で解説します 島田 博文 Ⅰ.投資用不動産の評価の考え方 ―収益還元法を中心として― 1.不動産分析の基本的な視点 2.アセットタイプ毎の重視する評価手法 3.収益還元法の計算式(直接還元法とDCF法) 4.直接還元法の留意点 5.アセットタイプ毎の特徴 6.事業用不動産の収益還元法 7.開発型収益還元法(更地の収益還元法) Ⅱ.エンジニアリングリポートの見方とチェックポイント 1.不動産に係る主なリスクとは 2.ERの調査項目等 3.ERの利用目的 4.建物状況調査 5.建物劣化等状況調査 6.遵法性調査 7.再調達価格の算定 8.修繕更新費用の算定 9.アスベスト 10.ポリ塩化ビフェニル(PCB) 11.土壌汚染 12.建物の耐震性 13.ERのチェックポイント Ⅲ.不動産鑑定評価書の見方とチェックポイント 1.不動産鑑定評価書の記載事項 2.鑑定評価の基本的事項のチェックポイント 3.対象不動産の確認のチェックポイント 4.価格形成要因の分析のチェックポイント 5.収益還元法の適用のチェックポイント Ⅳ.関連質疑応答 島田 博文 (しまだ ひろふみ) 氏 平成2年に一般財団法人日本不動産研究所に入社、現業部門のほか研究部、審査部を経験。数多くの鑑定評価を経験のほか、法定再開発、調査研究、鑑定評価等の審査業務にも従事。特に本社事業部の約11年間では賃料評価専門チームのチーフとして継続賃料や立退料の訴訟関連の評価等を数多く手がけた。また、神奈川大学法学部非常勤講師(科目:不動産法実務、鑑定評価理論)、公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会実務修習講師、同連合会鑑定評価基準委員会副委員長、不動産鑑定士第3次試験試験委員、不動産鑑定士試験短答式試験委員などを歴任し、借地借家の分野に精通。平成26年5月に改正された不動産鑑定評価基準作成に係る国土交通省での基準検討ワーキング委員に就任。本年8月末に日本不動産研究所を退社、独立。 著書 「賃料評価の実務」(清文社)、「不動産鑑定評価の新しい潮流」(住宅新報社)、「不動産評価の実務」(中央経済社)、「不動産鑑定訴訟法II」(青林書院)、「平成21年不動産鑑定行政法規の知識」(住宅新報社)、「不動産マネジメント入門」(東洋経済新報社)、「重要事項説明書・書き方のポイント〔8訂版〕」(住宅新報社)、「要説不動産鑑定評価基準と価格等調査ガイドライン」 (住宅新報社)(いずれも共著)など多数 島田 博文 島田不動産鑑定 代表 不動産鑑定士
独占禁止法の令和元年改正により、リニエンシー制度を中心にカルテル規制は大きく変化したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、公取委の調査は一時減少傾向にありました。しかし、その後、2022年には東京オリンピック・パラリンピックに絡んだ広告代理店間の談合(6社7人が起訴、一部有罪判決)、2023年には一部の旧一般電気事業者によるカルテル(過去最高額となる合計約1,010億円の課徴金納付命令)、2024年には損害保険会社による多数のカルテルの一斉処分(計9件のカルテルを認定、合計約20億円の課徴金納付命令)等、社会的なインパクトが大きい事件が毎年公表されており、今一度執行に備えた対応とコンプライアンスの見直しが求められているといえます。 本セミナーでは、公正取引委員会での執務経験を有する弁護士が、カルテル・談合に対する執行が再び活発化している現状を踏まえ、カルテル・談合に関する調査対応・リスク管理・コンプライアンスについて、令和元年改正の内容を含めた基礎的な部分から解説します。 柿元將希(モリ) 1 はじめに 2 カルテル規制の概要 (1) カルテル・入札談合に関する規制 (2) カルテル・入札談合に関するペナルティ 3 リニエンシー制度の概要 (1) リニエンシー制度の現状 (2) リニエンシー申請の効果 (3) 令和元年改正による変更点 4 判別手続(特定通信の保護) (1) 判別手続の概要・導入の背景 (2) 判別手続を利用するための要件 (3) 判別手続の流れ 5 カルテル調査対応の実務 (1) 内部通報等~社内調査~リニエンシー申請 (2) 公取委による立入検査・その後の協力等 (3) 意見聴取通知~意見聴取手続~排除措置命令等 6 事業者のカルテル・コンプライアンス (1) 事業者に求められるカルテル・コンプライアンス (2) 営業部員向けの具体的な行動指針(Do's and Don'ts) (3) ケース別のコンプライアンスの手法 柿元 將希 (かきもと まさき) 氏 公正取引委員会への出向経験を通じて、独占禁止法/競争法全般関する国内外の当局対応を含めた深い知見と多数の経験を有する。また、下請法、景品表示法等の関連分野においても豊富な実績を経験を有するほか、M&Aをはじめとする会社法関連分野全般及び危機管理分野でも助言を行っている。 関連著述: 「カルテルとリスク管理」(月刊監査役 2023年6月25日号) 柿元 將希 森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士
セキュリティトークン、すなわちブロックチェーン技術(分散台帳技術)を活用したデジタル証券の販売方法であるSTO(Security Token Offering)は、金融商品取引法の改正を経て、一つの投資商品・資金調達手法としての位置づけを得つつあります。 直近においては、デジタル証券の二次流通の場(大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)が運営するセカンダリー市場“START”)が開設されるなど、実務の着実な進展が見られます。一方で、STOの利便性をより高める観点からは法令・税制・実務上の課題があることも指摘されており、引き続き制度の見直しや自主規制の制定を含む各種の検討が続けられています。 本セミナーでは、セキュリティトークン/STOに関する法的枠組みを概観したうえで、STOの活用実務として、不動産STOと社債STOを中心にご紹介し、実務上の留意点を解説いたします。 石橋誠之(モリ) I. はじめに II. セキュリティトークンの法制度 (1)STOに関連する金商法上の概念 (2)発行・開示に関する規制 (3)金融商品取引業に関する規制 (4)セカンダリー市場に関する実務の進展 (5)その他 III. セキュリティトークンの活用実務 (1)資産金融型STO(不動産STO等) (2)企業金融型STO(社債STO等) (3)その他 IV. 実務上の諸論点 V. 終わりに 石橋 誠之 (いしばし まさゆき) 氏 弁護士・ニューヨーク州弁護士。東京大学経済学部卒業、東京大学法科大学院卒業、ニューヨーク大学ロースクール修了。Simpson Thacher & Bartlett法律事務所(ニューヨークオフィス及び東京オフィス)にて執務。キャピタル・マーケッツとFintech・金融規制を主要取扱分野とし、伝統的なファイナンス案件からテクノロジーを活用したSTO等の資金調達手法まで幅広い経験を有する。セキュリティトークン/STOについては、当局や各種団体とも緊密に連携しつつ多数の案件に関与している。 主要著書等 『暗号資産の法律(第2版)』(中央経済社、2023年)、『エクイティ・ファイナンスの理論と実務〔第三版〕』(商事法務、2022年)、『リーガル・トランスフォーメーション ビジネス・ルール・チェンジ2022』(商事法務、2022)、『上場株式取引の法務〔第二版〕』(中央経済社、2019年)ほか多数 石橋 誠之 森・濱田松本法律事務所外国法共同事業 パートナー弁護士
近時、ストックオプションの活用を推進するための施策(例えば、2023年に国税庁が公表したストックオプション関連の課税関係に関するQ&A、令和6年税制改正を通じた株式保管委託スキームの緩和や税制適格ストックオプションの年間行使上限額の引上げ等)が進んでおり、未上場スタートアップがストックオプションを柔軟かつ適切に交付する環境が整備されつつあります。 本セミナーでは、まず、①ストックオプションの持つインセンティブ機能や交付目的を整理しつつ、②税制適格ストックオプションや有償ストックオプションの課税上の取扱い、税制適格ストックオプションを作り込む上での実務上の検討課題について概説します。 また、本セミナーでは、③ストックオプションを付与する目的に照らして、個別具体的な行使条件を設定できるよう、様々な切り口で行使条件の選択肢も概説します。 さらに、④ストックオプション割当契約と発行要項にそれぞれに規定すべき条項(M&Aイグジット時のストックオプションの取扱いを含みます。)についても、検討ポイントを整理します。 森本凡碩(アンダー) 1.ストックオプションの内容・交付目的 (1)インセンティブ構造 (2)交付目的の整理 2.ストックオプションの種類(課税上の取扱いも踏まえて) (1)無償ストックオプション・有償ストックオプション (2)税制適格ストックオプション・税制非適格ストックオプション (3)税制適格ストックオプションの要件(近時の法改正も踏まえて) 3.ストックオプションの行使条件 (1)行使条件を付ける趣旨 (2)実務上よく利用される類型 4.割当契約書や発行要項の作成上の留意点 (1)両書類の違い (2)行使条件やM&Aイグジットの取扱い等 森本 凡碩 (もりもと ぼんそ) 氏 2010年立教大学法学部、2012年東京大学法科大学院卒業、2013年12月弁護士登録、同月に西村あさひ法律事務所入所、2021年University of California, Los Angeles, School of Law (LL.M.)卒業、2021年-2022年ニューヨークのMorganLewis & Bockius LLP勤務、2022年8月西村あさひ法律事務所復帰、2022年9月ニューヨーク州弁護士登録。 西村あさひ法律事務所に入所して以来、M&A、スタートアップ投資案件、JVを含む戦略的事業提携、その他一般的な企業法務全般を取り扱う。 森本 凡碩 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 パートナー弁護士/ニューヨーク州弁護士
2024年7月、EUで、企業に対しサプライチェーンを通じた人権・環境デュー・ディリジェンス(DD)を義務付ける、企業サスナビリティDD指令(CSDDD)が発効しました。CSDDDは日本企業を含む非EU企業に対して域外適用される可能性があるほか、たとえ規制の適用を直接受けなくてもサプライチェーン上の取引先企業から同規制への対応を求められる形で、日本企業も実質的に影響を受ける可能性が高い状況です。 サプライチェーンDDを義務付けるEUの法規制はCSDDDに限定されません。森林破壊フリー製品規則(EUDR)、バッテリー規則(EUBR)、強制労働産品規則(FLR)や各国法規制など様々なルールが存在します。これらのルールは適用対象、対象分野、要求事項などが異なっており、各規制の異同をふまえた対応が求められます。さらに、DDの効果的な実施にあたっては、各国規制の根拠規範である国連ビジネスと人権指導原則やOECD多国籍企業行動指針の理解も欠かせません。 そこで、本セミナーでは、「ビジネスと人権」や環境サステナビリティもはじめグローバルコンプライアンス・危機管理を専門とする講師において、サプライチェーン・DDに関する欧州規制の最新動向・影響と日本企業の実務対応のあり方を解説します。 高橋大祐(真和) I サステナビリティDD規制総論 1 根拠規範としての国連ビジネスと人権指導原則・OECD多国籍企業行動指針のポイントと影響 2 欧州におけるサプライチェーンDD規制の動向と影響 3 欧州以外におけるサプライチェーンDD規制の動向と影響 4 サプライチェーンDD規制を取り巻くアクターと影響 II サステナビリティDDに関する欧州規制の解説 1 企業サステナビリティDD指令(CSDDD)のポイントと影響 2 森林破壊フリー製品規則(EUDR)のポイントと影響 3 EUバッテリー規則(EUBR)のポイントと影響 4 強制労働産品規則(FLR)のポイントと影響 5 各規制の異同・関連性 III サステナビリティDDの実務 1 サステナビリティDDの要素と実践ステップ 2 サステナビリティDDを補完するツール:契約条項・データプラットフォーム・グリーバンスメカニズム 3 サステナビリティDDの不足が問題化した事例と教訓 4 サステナビリティDDに関するグッドプラクティス 5 日本企業における実践上の留意点 高橋 大祐 (たかはし だいすけ)氏 グローバルコンプライアンス、サステナビリティ/ESG、テクノロジー分野を専門として、企業・金融機関に対し、法的助言・デュー・ディリジェンス支援・危機管理・紛争解決を担当。 サプライチェーン・デュー・ディリジェンスの国際的な専門家として、国際法曹協会(IBA)ビジネスと人権委員会共同議長、国連ビジネスと人権政府間作業部会代理リーガルエキスパート、OECD責任ある企業行動センター・コンサルタント、外務省ビジネスと人権行動計画作業部会構成員、環境省環境デュー・ディリジェンス普及に関する検討会委員、ジェトロSDGs研究会委員などの公職も歴任。また、企業・金融機関のサステナビリティ委員会委員、サステナビリティ・アドバイザリーボード・メンバー等も務める。 法学修士(米・仏・独・伊)。欧州連合エラスムスムンドゥス奨学生プログラム及び米国フレッチャー法律外交大学院を修了。 高橋 大祐 真和総合法律事務所 パートナー弁護士 法学修士(米・仏・独・伊)
近時、「インパクト投資」というキーワードが注目を集めている。特に日本では、内閣官房が公表した新しい資本主義の実現でのインパクト投資の普及促進が政策目標として明記され、2024 年3月には、金融庁が「インパクト投資(インパクトファイナス)に関する基本的指針」を公表し、また、GPIFのインパクト投資の解禁についての議論がなされる等、インパクト投資を取り巻く環境は大きく変化している。 しかし、「インパクト投資とは何か? 」 「ESG 投資 と何が違うのか? 」 「そもそもインパクト投資の実施を検討するべきなのか? 」といった疑問をお持ちの方も少なくないのではないと思われる。また、すでにインパクト投資についての理解のある方も、インパクト投資において利用可能なスキームや具体的な投資プロセス・契約書における留意点についての理解は進んでいないように思われる。 本セミナーでは、インパクト投資をめぐる国内外の動向や、最新の議論や事例、インパクト投資に関する実証分析に関する研究、国際的な団体におけるインパクトタームに関する議論等の紹介を交えながら、国内外の個別事例にも触れつつ、インパクト投資プロセスにおける留意点、インパクト投資に利用可能な設計、ガバナンスにおける工夫、エグジット等における考慮要素等し込み方などを分かりやすく解説する。 渡邉貴久(西村) 0.イントロダクション (1)インパクト投資の市場規模や成長の背景 (2)インパクト投資の対象・プレイヤーの概要 1.インパクト投資の基礎 (1)インパクトとは?インパクト投資の定義とは? (2)インパクト投資と他の投資の比較 (3)日本のインパクト投資をめぐる動向 (4)インパクトと企業価値・リターン等についての議論 2. インパクト投資の手法・プロセス (1)アセットタイプ別のインパクト投資の特徴(上場・非上場) (2)投資プロセス別の留意点 3. インパクト投資に利用可能な設計 (1)負債の設計 (2)エクイティの設計 (3)ブレンデッド・ファイナンス 4. インパクト投資における契約条項 (1)インパクト投資における契約条項の概要 (2)海外におけるインパクト契約に関する実証研究やタームシートの紹介 (3)契約条項例の解説 5. インパクト企業のガバナンスと長期的成功への道筋 (1)ミッションの定款への組込み (2)ガバナンスにおける工夫の方法 (3)黄金株・スチュワートシップ・オーナーシップ 6. インパクト投資における Exit (1)Exit の考え方(責任あるExit) (2)IPO・M&A に変わる選択肢としての Exit to Community (E to C) ※小項目については変更する可能性があります。 渡邉 貴久 (わたなべ たかひさ) 氏 2013年慶応義塾大学法学部法律学科卒業、2014年弁護士登録、2023年 UC バークレー・ロースクール修了(LL.M.)、2024年オックスフォード大学ビジネススクール修了(MBA)。Global Alliance of Impact Lawyers アジア太平洋地域理事、一般財団法人社会的 インパクト・マネジメント・イニシアチブ(SIMI) フェロー等。 M&A・コーポレートを中心 とする一般的な企業法務全般に加え、国内外の ESG 関連規制やインパクト投資を含むサステナブルファイナンス、インパクトスタートアップ、ソーシャルエンタープライズ支援 (B Corp 認証を含む)等のサステナビリティ関連の専門性を有する。 近著 (共著を含む) :Practical Impact of EU CSRD/CSDDD on Asian Companies (GAIL 、2024年)、 「周辺学」で差がつく M&A -M&A とサステナビリティ・ESG(ビジネス法務)、スタートアップを対象 としたインパクト投資に関する契約条項の検討 (N&A ニューズレター2023年12月19日号)等 渡邉 貴久 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 弁護士
上場会社による第三者割当ては、スタートアップや中小企業から大企業まで、M&Aなどの成長投資から財務状況の改善まで、幅広いニーズに応えることのできるエクイティファイナンス手法です。 発行する有価証券の種類としては、普通株式のみならず、新株予約権、CB(転換社債型新株予約権付社債)など豊富な選択肢があり、さらに、個々の有価証券の発行においても、発行要項や引受契約において様々なアレンジをすることで、柔軟なファイナンスの設計が可能となります。 本講演では、PIPEsの最新トレンドから、公募やライツ・オファリングと比較したファイナンススキームの選択、第三者割当てにおける新株予約権・CBを用いたファイナンスの設計、第三者割当ての手続きやドキュメンテーション、関連トピックまで、最新の実務を踏まえて解説します。 田村哲也(モリ) 1 はじめに (1)第三者割当ての利用状況・傾向等 2 ファイナンススキームの選択 (1)各ファイナンススキームのメリット・デメリット (2)各ファイナンススキーム・各設計の比較 (3)スキームの組み合わせの例 3 新株予約権・CBを用いたファイナンスの設計 (1)設計上のポイント (2)法的な留意点(有利発行規制・インサイダー取引規制) 4 第三者割当ての手続き・ドキュメンテーション・スケジュール (1)第三者割当ての手続き・スケジュール (2)第三者割当ての主要ドキュメンテーションと留意点 (3)第三者割当てに関する主なルール(会社法・取引所規則・金商法) 5 第三者割当てに関連するその他のトピック (1)リパッケージスキーム (2)貸株-TOB規制との関係その他の留意事項 田村 哲也 (たむら てつや) 氏 2013年東京大学法学部卒業、2014年弁護士登録、森・濱田松本法律事務所入所。キャピタルマーケッツとM&Aを主な専門分野とし、キャピタルマーケッツでは、Deal of Year等の受賞案件を含むエクイティ・デット双方の資本市場案件に幅広く取り組む。M&Aでは、スキームの提案からデュー・ディリジェンス、契約交渉、クロージング後のPMIまで包括的な実行支援を行う。 2018年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社投資銀行本部に出向し、投資銀行業務に従事。2022年にはシカゴ大学ロースクールにてLL.M.を取得し、Morgan, Lewis & Bockius 法律事務所(ニューヨークオフィス)にて執務。2023年ニューヨーク州弁護士登録。 関連著述 「エクイティ・ファイナンスの理論と実務〔第3版〕」(商事法務)など。 田村 哲也 森・濱田松本法律事務所 弁護士・ニューヨーク州弁護士
近時、米中をめぐる通商状況は依然高い緊張状態にあり、両国の輸出管理規制や制裁措置等との関係で、日本企業は難しい対応を迫られています。近時においても、米国におけるウイグル強制労働防止法などの人権侵害を理由とした輸出入管理、EARによる半導体関連の輸出管理強化、中国における反外国制裁法の制定とその執行、再輸出規制を含む両用品目輸出管理条例の公布など、日本企業のビジネスに大きな影響を及ぼし得る改正等が続いています。 例えば、米国と中国の双方と取引のある日本企業においては、米国の輸出管理規制等の外国法令などの遵守が、中国による反外国制裁法に基づく制裁の対象となるおそれがあるなど、「板挟み」となる事態が想定されることから、一方各規制の内容や関係性を正確に理解したうえで、コンプライアンス体制やサプライチェーンの見直し等を行うことが極めて重要です。 本セミナーでは、経済安全保障を巡る環境変化に適切に対応するため、制裁・輸出管理規制等の内容や最新の動向、対応上の留意点等について分かりやすく解説します。 大澤貴史(牛島) 1.米国の輸出入管理規制・経済制裁の動向 ・半導体分野をはじめとした輸出管理規制(ERA) ・OFAC規制と海外企業への域外適用 ・人権侵害を理由とした貿易規制等 2.日本における外為法その他の関連規制の動向 ・先端半導体の製造装置等に係る輸出管理強化 ・みなし輸出管理の運用明確化 ・人権尊重ガイドラインの制定 3.中国の対抗措置等の動向 ・反外国制裁法の概要と執行事例の分析 ・輸出管理法と両用品目(デュアルユース品目)輸出管理条例等 4.日本企業に求められる対応 ・経済安全保障を巡る環境変化への対応の必要性(経営課題として把握) ・コンプライアンス体制とサプライチェーンの見直し(オーバーコンプライアンスの防止) ・個別取引・契約上の留意点 大澤 貴史 (おおさわ たかし) 氏 2008年東北大学法学部卒業、2010年東北大学法科大学院修了、2011年弁護士登録(第64期) 、牛島総合事務所入所、2017年米国カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校修了(LL.M.)、2017年金融庁(マネロン・テロ資金供与対策企画室・室長補佐、法令遵守等モニタリングチーム・金融証券検査官、法令等遵守調査室・室員等を併任)、2020年牛島総合法律事務所で実務再開、ニューヨーク州弁護士登録、2022年パートナー就任。 金融関連規制に係るコンプライアンス・ガバナンス・紛争対応、会社関係紛争・訴訟、不祥事対応などを主に取り扱う。 著作等 「マネロン・テロ資金供与対策の理論と実務」(共著、きんざい、2022年1月)、「近時の外為法関連規制の動向と経済制裁措置への対応ポイント」(The Finance・2024年3月19日)など 大澤 貴史 牛島総合法律事務所 パートナー弁護士
NDA(Non-Disclosure Agreement)契約とは、他社との業務提携などにおいて自社の秘密情報を他社に開示する際に、開示情報の漏洩がないように守らせる秘密保持契約のことです。 残念ながら、新日鉄住金特殊鋼板製造ノウハウや東芝半導体データ、最近のソフトバンク5G基地局データやかっぱ寿司の営業データなどの企業の秘密情報漏洩事件が後を絶たず、企業防衛の立場から緊急に見直しをすべき状況になっています。 そこで、本セミナーでは、最近の重要判例を分析しつつ、NDAによる効果的管理を始め、企業のあるべき秘密情報及び人材の具体的な管理方法に至るまでを解説します。 牧野和夫(芝) 1 はじめに 知的財産権で非常に重要なポジションを占める「営業秘密」 ・「営業秘密」の具体例 ・顧客リストなどの個人情報も「営業秘密」に含まれる 2 ケーススタディー ・最近の営業秘密漏洩事件の状況(経済産業省の資料から) ・最近の営業秘密漏洩事件(裁判例)の分析 ・新日鉄住金特殊鋼板製造ノウハウ事件のポイントと対応 ・東芝半導体データ漏洩事件のポイントと対応 ・ソフトバンク5G基地局データ漏洩事件のポイントと対応 ・かっぱ寿司の営業データ漏洩事件のポイントと対応 ・その他最近の営業秘密漏洩事件の重要判例の分析と対応 3 法的なルールの解説 ・不正競争防止法による営業秘密の保護 ・ルールの概要と罰則・救済規定 ・規制の強化が行われてきたが、それで十分か。 4 「秘密保持契約書(Non Disclosure Agreement = NDA)」の管理 ・NDAの法的効力の限界(NDA神話の崩壊)と効果的な実務対応 ・準拠法と紛争解決(仲裁や裁判管轄)は合意しない方が良いって本当? ・シリコンバレー流の営業秘密保護の実際?(元アップル法務部長が語る) ・新興国企業とのNDA締結後の運用で注意すべき必須ポイント 5 企業のあるべき秘密情報の管理方法 ・営業秘密の管理、人事管理のあるべき姿は何か ・引き抜き防止の具体的方策の検討(アメリカのハイテク企業の対応) ・「競争他社へ転職します」と幹部社員から言われた場合の具体的な対応 牧野 和夫 (まきの かずお) 氏 専門は法律・知的財産・IT・海外法務・M&A・人工知能・自動運転・創薬等。早稲田大学、琉球大学法科大学院、関西学院大学商学部・法学部、同志社大学商学部の各講師を兼任。最先端法務研究会座長 。早大法卒、ジョージタウン大ロースクール法学修士、General Motors Institute 優等修了、ハーバードロースクール交渉戦略プログラム修了。 いすゞ自動車法務部課長、アップルコンピュータ法務部長、クレディスイス生命保険法務部長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員(新司法試験・法科大学院制度設計)、国士舘大学法学部教授、大宮法科大学院大学教授、一橋大学法科大学院講師等を歴任。 著書 「初めての人のための契約書の実務」(中央経済社)など多数 牧野 和夫 芝綜合法律事務所 弁護士・弁理士・米国ミシガン州弁護士
転換社債のもつ役割と性質は、その発行の目的により大きく異なります。たとえば、非上場企業の債務再編と新興上場企業の資金調達コストの抑制では、その役割に大きな違いがあり、構造にも償還条件や転換条件などに相違が見られます。またワラントにより、転換後の株式の発行量を制御することで、株式の希薄化を抑える役割を果たすこともあります。 複雑な構造をもつ資金調達手段の評価は、難しく、伝統的なインカムアプローチやコストアプローチではなく、オプション理論を用いた方法が使われることもあります。このような複雑な構造と役割を持つ資金調達手段について学ぶには、実際の事例を通じて具体的な状況や評価方法を理解することが重要です。 そこで本セミナーでは、新興上場企業の事例を参考に、転換社債の持つ役割と性質を深く理解し、評価の実務における課題解決や意思決定に活かせる知識を得ることを目指します。 森谷博之(オックスフォード) 1. 転換社債入門 ・基本的な性質と役割、転換社債市場の動向、評価の基本 2. 発行条件の設計と安全性 ・転換価格、転換比率、構造の役割 3. デルタヘッジと発行戦略 ・株式希薄化の制御、オプション理論の応用、発行時のリスク管理 4. 事例の探索と分析 ・米国市場とEDGAR、構造と効果 森谷 博之 (もりや ひろゆき) 氏 1987年より東京の外資系金融機関において国際債券投資、デリバティブ業務に従事、1991年には米国 LOR(Leland O’Brien Rubinstin)社とともにカレンシーオーバーレイ業務を東京で開始。1995年、アフリカ開発銀行勤務、象牙海岸共和国、アビジャン。国際債券市場からの資金調達、ALM 業務に従事するとともに数々の政策立案に参画。 1980年上智大学理工学部化学科卒、1986年ストラッスクライド大学 MBA 取得、1998年エジンバラビジネススクール MBA 取得、1999年ロンドン大学 SOAS 金融経済学修士取得、1999年9月オックスフォードファイナンシャルエデュケーション設立、代表取締役社長。2000年4月住商キャピタルマネジメント上級顧問。 主な訳書「物理学者ウォール街を往く」(東洋経済新報社)。主な著書「Python3 ではじめるシステムトレード改訂版」(パンローリング) 森谷 博之 オックスフォードファイナンシャルエデュケーション Director,MBA(Strath),MBA(HW),MSc(London)
再エネ案件の立地に関わる主な許認可をたった3時間でひととおり学び、体系的な知識を身につけるための講座です。農地転用許可、農振除外、林地開発許可、保安林内作業許可、道路・河川・国有林の各種占用許可など頻出の許認可について実際にどのような問題が起き、どの場面で注意が必要だったのか、実務の現場での経験をもとにわかりやすくお伝えします。法律事務所に寄せられる多くの相談事例から、あなたの課題解決につながるヒントが見つかるはずです。系統用蓄電池案件の増加に従って問い合わせの増えている騒音規制についても解説いたします。法律事務所にはたくさんの事業者から多くの相談が寄せられます。 本講演は限定15名の少人数制です。オンラインライブでの参加、または後日動画視聴のどちらかを選べるので、忙しい方でも安心してご参加いただけます。事前質問やセミナー中の質問も受け付けているので、具体的な悩みを直接相談するチャンスです。 この講座は毎年好評を博し、アンコール開催が続く人気講座です。ぜひこの機会にご参加ください。 乾由布子(オリック) 1. 再エネ事業の立地に関わる許認可概観 (1)許認可と事業の長期化リスク (2)開発着手時に必要な許認可の全体像を把握する 2. 開発許認可 (1)農転許可 (2)農振除外 (3)林地開発許可 (4)保安林内作業許可 (5)保安林指定解除 (6)環境アセスメント (7)農山漁村再エネ法 3. 用地確保のための許認可 (1)道路占用許可 (2)河川占用許可 (3)海域の占用許可 (4)国有林貸付 4. 直近の話題 (1)盛土規制法(旧宅造法) (2)砂防三法と再エネ規制条例 (3)騒音規制法 他 乾 由布子 (いぬい ゆうこ) 氏 2006年から2024年12月までオリック東京法律事務所・外国法共同事業のエネルギー・アンド・インフラストラクチャー・グループに所属。2025年に独立し、再エネ案件に強みを持ついぬい国際法律事務所設立。プロジェクトファイナンスや用地取得、許認可業務を得意とする。これまでに太陽光54件(計1692MW)、風力30件(計2257MW)の法務デューデリジェンスを主導(2024年4月時点)。日弁連公害対策・環境保全委員会特別委嘱委員、同地球温暖化対策プロジェクトチーム委員。1994年東京大学理学部卒業、2005年第二東京弁護士会で弁護士登録。2024年版Legal 500 Asia Pacificの日本のプロジェクト・エネルギー部門でNext Generation Partnerに選出。 近時の主な論文・講演 「太陽光パネル税は公平性の視点で疑問も~乾弁護士に聞く」(日経BP、社メガソーラービジネス、2021年10月)インタビュー、「売れる太陽光・売れない太陽光~森林法・農地法などのチェックポイント解説」(一般社団法人 日本PVプランナー協会会報誌、Vol. 10、2018年5月)、「Challenges and Updates on Japan Solar Market」(Japan Solar +Energy Storage International Congress 2018 、大阪、2018年10月)パネルディスカッションのモデレーターなど 乾 由布子 いぬい国際法律事務所 弁護士
近年、人件費の高騰、経済成長の鈍化、関連規制の強化及び米中対立等の地政学的緊張等により、日本企業を含む外資系企業による中国事業の撤退や縮小が相次いでいます。 しかしながら、中国事業の撤退や縮小には、進出時以上に多岐にわたる配慮が必要です。慎重に諸手続きを進めなければ、主管当局、取引先又は従業員等との予期せぬトラブルを引き起こすおそれがあるからです。 そこで本セミナーでは、日中間で活躍中の中国弁護士が、中国事業の撤退・縮小の手法の選択肢、各選択肢のメリット及びデメリット、並びに中国事業の撤退・縮小における法的留意事項を中心に解説します。特に法的リスクの観点から日本企業による対中投資戦略を再検討するヒントを得るための情報を提供したいと考えています。 孫彦(中倫) 1.規制緩和と管理強化、どうなる対中投資? ・アフターコロナの新問題 ・外商投資企業の撤退の現状 2.中国での事業撤退・縮小の手法の選択肢 ・解散清算 ・破産 ・持分譲渡 ・営業譲渡 ・減資 ・合併 ・会社休眠化 ・夜逃げ? 3.各選択肢のメリット・デメリット ・各ステークホルダーとの利害調整 ・よく遭遇する問題点 4.中国事業の撤退・縮小に関する法的留意事項 ・解散・清算における留意事項 ・破産を避ける実務的対応 ・持分譲渡における留意事項 ・減資の可否 ・合併における留意事項 孫 彦 (そん げん) 氏 2006 年北京大学大学院卒業、2013年~2014年ワシントン大学ロースクール客員研究員。日本の大手法律事務所にて10年以上の実務経験を積み、2018年11月から中倫外国法事務弁護士事務所(中倫法律事務所東京オフィス)のパートナー就任。M&A、外商投資企業の破産・清算、中国現地法人の不祥事対応や危機管理、コーポレートガバナンス等、企業法務全般を取り扱っている。 日本仲裁人協会会員、一般社団法人日本商事仲裁協会仲裁人。 【主な著書・論文】「中国独占禁止法制の実務」(中央経済社、2024年2月)、「中国個人情報保護法制の実務」(中央経済社、2022年12月)、「中国商事仲裁の基本と実務」(商事法務、2021年9月15日)、「中国における独占禁止法の改正動向と実務における着目点」(NBL No.1191,2021年4月1日号)、「中国ビジネス法務の基本と実務がよ~くわかる本」(秀和システム、2019年10月1日、共著)。 その他、「国際商事法務」、「NBL」等に中国の企業再編、紛争解決等に関する数多くの論文を発表している。 孫 彦 中倫律師事務所東京オフィス パートナー 弁護士
今、クラウドコンピューティングの発展に伴い、サーバーやネットワーク機器を設置する「データセンター」の建設が世界的に急増しています。そして、このデータセンターの適切な設置場所として、政治的安定性や半導体技術の優位性を有する日本が、世界の注目を集めています。昨年は、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が、今後、日本向けデータセンター等に対する投資を2兆2600億円規模で実施することを発表し、話題となりました。今年に入り、マイクロソフトやオラクルによる巨額の投資なども報道されています。さらに、最近では、生成AIの実行環境としてもデータセンターに対する需要は増加しています。 本セミナーでは、このように話題のクラウドサービス及びデータセンターの設置・維持管理・投資・危機管理に関する法規制について、基礎的な点から、生成AI、GPU並びに投資スキームまで、幅広く解説します。 弦巻充樹・江嵜宗利(金杜) 1.日本のデータセンターの状況 ・データセンターとは何か ・設備・立地・ビジネス形態 ・生成AIとデータセンター 2.許認可、規制法 ・電気通信事業法 ・個人情報保護法 ・情報セキュリティ法 ・再生可能エネルギーとデータセンター 3.データ管理に関する注意点 ・知的財産権(著作権、特許権等) ・クラウドサービス契約と消費者契約法 ・生成AIとGPU 4.危機管理に関する注意点 ・危機管理 ・紛争が起きたときの対処 5.データセンターへの投資 ・GK-TKスキーム ・TMKスキーム ・再生可能エネルギーとの関係 弦巻 充樹 (つるまき よしき) 氏 早稲田大学法学部、ヴァンダービルト大学法科大学院(LLM)卒業。2003年弁護士登録(第一東京弁護士会)後、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業、三宅・山崎(現・三宅総合)法律事務所などを経て、2016年からKing & Wood Mallesons法律事務所・外国法共同事業のパートナー。株式会社NTTデータ及び大手投資銀行での勤務経験がある。IT、医療、芸能その他様々な業種のベンチャー/スタートアップの法務、ファイナンスの支援の経験を有する。近年ではCVC投資などAI関連のスタートアップ関連の法務も手掛ける。 江嵜 宗利 (えさき むねとし) 氏 2009年明治大学法学部法律学科卒業、2011年中央大学大学院法務研究科修了。2014年第二東京弁護士会登録。2014-2015年ウイズダム法律事務所、2015-2021年飛田&パートナーズ法律事務所、2022年King & Wood Mallesons法律事務所・外国法共同事業に移籍、現在に至る。ソフトウェア開発、暗号資産、IT・知的財産権その他一般企業法務を業務分野とする。 弦巻 充樹 King&Wood Mallesons法律事務所・外国法共同事業 パートナー 弁護士
今、クラウドコンピューティングの発展に伴い、サーバーやネットワーク機器を設置する「データセンター」の建設が世界的に急増しています。そして、このデータセンターの適切な設置場所として、政治的安定性や半導体技術の優位性を有する日本が、世界の注目を集めています。昨年は、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が、今後、日本向けデータセンター等に対する投資を2兆2600億円規模で実施することを発表し、話題となりました。今年に入り、マイクロソフトやオラクルによる巨額の投資なども報道されています。さらに、最近では、生成AIの実行環境としてもデータセンターに対する需要は増加しています。 本セミナーでは、このように話題のクラウドサービス及びデータセンターの設置・維持管理・投資・危機管理に関する法規制について、基礎的な点から、生成AI、GPU並びに投資スキームまで、幅広く解説します。 弦巻充樹・江嵜宗利(金杜) 1.日本のデータセンターの状況 ・データセンターとは何か ・設備・立地・ビジネス形態 ・生成AIとデータセンター 2.許認可、規制法 ・電気通信事業法 ・個人情報保護法 ・情報セキュリティ法 ・再生可能エネルギーとデータセンター 3.データ管理に関する注意点 ・知的財産権(著作権、特許権等) ・クラウドサービス契約と消費者契約法 ・生成AIとGPU 4.危機管理に関する注意点 ・危機管理 ・紛争が起きたときの対処 5.データセンターへの投資 ・GK-TKスキーム ・TMKスキーム ・再生可能エネルギーとの関係 弦巻 充樹 (つるまき よしき) 氏 早稲田大学法学部、ヴァンダービルト大学法科大学院(LLM)卒業。2003年弁護士登録(第一東京弁護士会)後、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業、三宅・山崎(現・三宅総合)法律事務所などを経て、2016年からKing & Wood Mallesons法律事務所・外国法共同事業のパートナー。株式会社NTTデータ及び大手投資銀行での勤務経験がある。IT、医療、芸能その他様々な業種のベンチャー/スタートアップの法務、ファイナンスの支援の経験を有する。近年ではCVC投資などAI関連のスタートアップ関連の法務も手掛ける。 江嵜 宗利 (えさき むねとし) 氏 2009年明治大学法学部法律学科卒業、2011年中央大学大学院法務研究科修了。2014年第二東京弁護士会登録。2014-2015年ウイズダム法律事務所、2015-2021年飛田&パートナーズ法律事務所、2022年King & Wood Mallesons法律事務所・外国法共同事業に移籍、現在に至る。ソフトウェア開発、暗号資産、IT・知的財産権その他一般企業法務を業務分野とする。 江嵜 宗利 King&Wood Mallesons法律事務所・外国法共同事業 オブカウンセル 弁護士
FIT後の発電事業も見据えた再エネ発電設備の売買や、再エネ発電事業を行う特別目的会社(SPC)の株式・社員持分の譲渡等といった、再エネ発電事業会社のM&Aが、引き続き多く行われています。また、再エネ発電事業への匿名組合出資や、匿名組合出資持分の取引についても同様です。いずれの取引においても、税務面を含め、それぞれの取引態様のメリット・デメリットをよく把握しておく必要があります。また、対象となる発電設備をめぐる契約上の権利関係や認定、許認可等についてしっかり確認しなければなりません。 本セミナーでは、再生可能エネルギープロジェクトなど、エネルギー関連案件に豊富な実績を持つ講師が、再エネ発電事業への投資(売買や出資)について、契約上の留意点も含め、実務に則して解説します。 5421のアーカイブ 1. 再エネ発電事業の売買等 (1)売買、事業譲渡、株式・社員持分譲渡、吸収分割における留意点 (2)各取引態様の税務(法人税、登録免許税、印紙税等) (3)各取引態様のメリット・デメリット (4)周辺地域の住民への説明会等 2. 再エネ発電事業への出資 ~GK-TKスキーム及びLPS(投資事業有限責任組合)を中心に (1)匿名組合出資、GK-TKスキーム、LPSとは (2)GK-TKスキーム、LPSの税務 3. デューディリジェンス: 投資対象となる発電事業の留意点 (1)土地の権利関係についての留意点 (2)認定についての留意点 ①適用される調達価格・調達期間は? ②認定の失効・取消 (3)許認可についての留意点 (4)既存契約(EPC契約、O&M契約等)についての留意点 4. 株式・社員持分譲渡契約の留意点 (1)譲渡実行の前提条件 (2)表明保証 (3)売主の義務 5. 匿名組合契約の留意点 6. 関連質疑応答 深津 功二 (ふかつ こうじ) 氏 1988年東京大学法学部卒業、11年の社会人生活を経て、2004年弁護士登録、07年よりTMI総合法律事務所勤務。2014年1月パートナー就任。主な業務分野は、再生可能エネルギープロジェクト、プロジェクトファイナンス等の金融全般、エネルギー関連案件等。 著書・論文: 「再生可能エネルギーの法と実務」(民事法研究会、2013)、「再生可能エネルギー発電事業のM&A」(電気新聞2017年8月22日~28日)、「脱炭素に向けての世界の動き、日本の動きと法制度」、「脱炭素への企業等の自主的な取組みとそのメリット」、「再エネ電気の調達と環境価値取引」(いずれも、会社法務A2Z(2023年8月))など多数。 深津 功二 TMI総合法律事務所 パートナー 弁護士
2017年6月のTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に続き、2023年9月にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が公表され、銀行は地球環境変化に対するリスクや機会への対応を順次進めているが、現時点ではTNFDに関しては何の開示も行われていない銀行も一部で見受けられる。 今般、日米欧の大手行および国内地域銀行の開示についての独自調査結果に基づき、TNFD対応で紹介され ているツールの活用も含め、対応水準を三段階に分けて、銀行の地球環境変化対応を効率的に行うことを目指す内容としており、中には大手行におけるTCFD・TNFD対応の応用による他業務への有効活用の紹介も想定している。 なお、本セミナーで説明する内容に関しては、「Scope3カテゴリー15」のような、取引先を通じた対応や地球環境変化への実務対応に着眼点を置いており、TCFDやTNFDの解釈説明ではないことにご留意いただきたい。 浜田陽二(アビーム) 1. 地球環境変化に対する開示状況(2024年10月時点) (1)調査概要 (2)日米欧大手行の状況 (3)国内地域銀行の状況 (4)各地域や業態での特徴等(開示状況まとめ) 2. 水準別対応作業と課題等 (1)初期段階 (2)第二段階 (3)最終段階 (4)LEAP作業で使えそうなツール等 3. 大手行における各種応用事例等 (1)海外大手行での各種高度化や応用事例 (2)国内ではほとんど事例がない開示説明事項等 4. テスト分析を通じたTNFD対応上の論点等 (1)オガララ帯水層の水ストレス (2)国内肉牛生産者に関するTNFD対応上の評価 浜田 陽二 (はまだ ようじ) 氏 慶應義塾大学商学部卒業後、1989年4月株式会社日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)入行。融資部門、市場部門、金融法人部門等を歴任し、銀行勘定と特定取引勘定での運用や、資本調達交渉を含めた資産・負債・資本すべてに関する業務を経験。2006年11月にみずほ証券株式会社入社、財務企画部門にて調達業務や規制対策等を経験し、2014年2月アビームコンサルティング株式会社入社。 著書 『企業と投資家を結ぶESG・SDGs 企業評価と投資判断の新評価軸』(2021年09月 共著)、『バーゼルⅢ流動性規制が変えるリスク管理』、『リスクアペタイト・フレームワーク―銀行の業務計画精緻化アプローチ』(ともに金融財政事情研究会)等 浜田 陽二 アビームコンサルティング株式会社 金融ビジネスユニット シニアエキスパート
下請法は、中小企業や個人事業主との取引を行う企業にとって避けては通れない規制であるにもかかわらず、その適用関係は複雑であり、これを正確に理解することは必ずしも容易ではありません。 また、近時のコスト増を背景に、公取委・中小企業庁は価格転嫁を促進するツールとして下請法の執行をかつてないほどに活発化させているほか、物流2024年問題を踏まえた優越的地位の濫用規制の執行、フリーランス新法の施行等、中小企業・個人事業主への外部委託を取り巻く情勢は大きな変革期を迎えています。 そこで本セミナーでは、公正取引委員会での執務経験を有する弁護士が、下請法を中心として、優越的地位の濫用やフリーランス法の関連規制もカバーする形で、基本的な規制内容から近時の最新のトレンドまでをカバーする形で解説します。 柿元將希(モリ) 1 はじめに − 下請法の規制趣旨 − 違反時のペナルティ 2 下請法の適用対象 − 資本金要件 − 委託類型(製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託) 3 親事業者の義務 − 書面交付義務 − 支払期日を定める義務 − 書類の作成・保存義務 − 遅延利息の支払義務 4 親事業者の禁止行為 − 受領拒否・減額・返品の禁止 − 返品の禁止 − 買いたたきの禁止 − 不当な経済上の利益の提供要請の禁止 5 下請法以外の規制 − フリーランス新法の施行と規制概要 − 物流特殊指定(優越的地位の濫用)の執行状況・留意点 6 コンプライアンス体制の構築 − 対応方針の決定 − 体制面の構築 − 社内教育・意識醸成 柿元 將希 (かきもと まさき) 氏 公正取引委員会への出向経験を通じて、独占禁止法/競争法全般関する国内外の当局対応を含めた深い知見と多数の経験を有する。また、下請法、景品表示法等の関連分野においても豊富な実績を経験を有するほか、M&Aをはじめとする会社法関連分野全般及び危機管理分野でも助言を行っている。 関連著述: 「外注・業務委託におけるコンプライアンス-下請法を中心に」(ビジネス法務 2024年11月号) 柿元 將希 森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士
脱炭素に関する国際的な取り組みは進展してきており、各主体も具体で脱炭素化を講じなくてはならないフェーズとなってきている。再エネ、省エネ等の取組もさることながら、特に海外拠点においてはそうした取組が困難なケースも考えられ、そうした場合におけるオフセット手段の有用性への着目度合が増加してきている。 本講演においては、再エネや脱炭素に関わる皆様の業務に資するべく、海外拠点の脱炭素化において有用な手段である環境証書に焦点を当てて解説を行う。その際、留意すべき事項やカーボンクレジットとの違いなどについても併せて説明を行っていき、オフセットに関する基本的な全体像についても解説を行う。 1.導入 (1)脱炭素経営の基本的考え方 (2)4つの脱炭素手法大別と具体例 2.環境証書とカーボンクレジット (1)キャップアンドトレードによる脱炭素規制 (2)カーボンクレジットとその課題 (3)環境証書とその組成メカニズム 3.国際的な脱炭素潮流と環境証書の適用 (1)投資・情報開示・脱炭素規制・サプライチェーンの脱炭素 (2)企業の求められる対応 (3)環境証書が海外拠点の脱炭素化に有用な理由 4.海外における環境証書 (1)海外環境証書の種類と概要(GO,RECs、I-REC) (2)海外環境証書利用における留意点 (3)海外環境証書の利用状況 5.環境証書の利用フロー (1)環境証書を利用する際の手続きのフロー (2)日本におけるフローチャート 6.まとめ 前田 雄大 (まえだ ゆうだい) 氏 2007年、東京大学経済学部卒、外務省入省。開発協力、原子力、大臣官房業務などを経て、2017年から気候変動を担当。G20大阪サミットの成功に貢献。パリ協定に基づく成長戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。2020年より脱炭素フィールドに活動の主力を置く。2022年より株式会社シグマクシスにプリンシパルとして参画。同社では企業の脱炭素支援などを手掛ける。現在、脱炭素メディアの「GXチャンネル」(YouTubeチャンネル)を運営し、脱炭素情報を日々発信している。 プレジデント・オンライン等に脱炭素関連の寄稿を行うほか、『60分でわかる! カーボンニュートラル 超入門』を上梓。 前田 雄大 元外務省 気候変動担当(含むG7、G20、パリ協定関連) 脱炭素メディアGXチャンネル発行人兼統括編集長
気候変動問題が世界的に喫緊の課題となる中、日本でもエネルギー分野を中心にカーボンニュートラルに向けた産業構造の変革(グリーントランフォーメーション・GX)が進められています。足元では 2023 年度に導入された長期脱炭素電源オークションを受けて、蓄電池や水素 ・アンモニア混焼のような新しい発電事業や LNG 専焼案件について、資金調達、特にプロジェクトファイナンスを用いた資金調達の検討が事業者及び金融機関の間で進められています。 本セミナーでは、エネルギー分野に知見が深く、金融機関への出向経験も有する講師が、事業者及 び金融機関に分かりやすく長期脱炭素電源オークションとプロジェクトファイナンスについて解説します。 5488のアーカイブ 1.長期脱炭素電源オークションの概要 (1 )長期脱炭素電源オークション導入の背景、目的 (2 )長期脱炭素電源オークションの全体像 2.蓄電池ビジネスの動向 (1 )蓄電池ビジネスの概要 (2 )蓄電池に関する法制度 (3 )長期脱炭素電源オークションと蓄電池 3.水素・アンモニアビジネスの動向 (1 )水素・アンモニアの用途 (2 )水素 ・アンモニア等(低炭素水素等)の利活用拡大に向けた法制度 (3 )長期脱炭素電源オークションと水素・アンモニア 4.長期脱炭素電源オークションとプロジェクトファイナンス (1 )プロジェクトファイナンスの概要 (2 )長期脱炭素電源オークション制度のリスク分析 (3 )その他の論点 野間 裕亘 (のま ひろのぶ) 氏 2006年東京大学法学部卒業、2008年東京大学法科大学院修了、2010年弁護士登録、2013~2016年みずほ銀行プロジェクトファイナンス営業部出向、2017年ペンシルベニア大学ロースクール修了(LL.M.Wharton Business and Law Certificate)、2017~2018 年 Ashurst LLP(London Office)勤務。プロジェクトファイナンスをはじめとするファイナンス全般と電力事業等のエネルギー分野を主要な業務分野とする。弁護士として長年プロジェクトファイナンスに携わるほか、約3年間の銀行への出向を通じてFAやアレンジャーとしても多数のプロジェクトファイナンスの組成に関与した経験を有する。 近時の著書:『発電プロジェクトの契約実務〔第2版〕』(共著、商事法務) 野間 裕亘 森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士
ChatGPTのリリースから2年程度が経過し、生成AIの技術進歩に益々注目が集まっている。 弁護士・法務担当者など法律実務に携わる方々にとっても、その動向はもはや無視できない。他方で、法律実務家による生成AIの利活用には、守秘義務やハルシネーションなどの問題点も指摘されている。また、実務において生成AIが利活用できる場面や、生成AIから精度よい回答を得るための指示(プロンプト)の方法については、未だ未知数の部分も多い。 本講演では、知的財産権に関する訴訟、コンピュータ訴訟などの経験を持ち、ChatGPTの利活用法を常に研究している講師が、昨年発表した著作以後の研究動向も踏まえ、ChatGPT利活用上の留意点と共に、法律実務における諸々の有益な活用法について、必須の知識を紹介する。 本講演は、法律事務所に所属する弁護士のみならず、インハウスロイヤー、企業の法務担当者の方々にとっても間違いなく有用なものとなろう。 ※ 本講演の内容は、講演者が2024年4月3日に行った講演と一部重複しますが、その後の研究動向も踏まえて内容をアップデートしております。 ・ChatGPTの仕組みなど ・ChatGPT利活用の際の留意点 ・ChatGPTとプロンプト・エンジニアリング ・法律事務所におけるChatGPT利活用例 ・その他 寺島 英輔 (てらしま えいすけ) 氏 主な取扱分野は、企業法務,知的財産法務(特にAI,機械学習分野における法務全般),労働事件,倒産事件,家事事件(主に相続案件),その他一般民事事件,刑事事件など。 知的財産権に関する訴訟,コンピュータ訴訟,製造物責任訴訟,医療過誤訴訟など,特に強い専門的知見を要する訴訟の代理業務に多数従事。 関連書籍 『法律事務所のためのChatGPT利活用ガイドブック』(日本加除出版発行、共著) 寺島 英輔 東京フィールド法律事務所 パートナー弁護士
2023年5月に公開草案が公表された新しいリース会計基準が、パブリックコメントの検討過程も経て、この9月に確定・公表されました。リースを「使用権の移転に対するファイナンス」と考え、特に借手の会期処理に抜本的な変更を迫る当該基準は、2年半後の2027年4月以降開始する事業年度から適用開始となります。取引の金額や期間、汎用性等から当該基準の影響が最も大きいと想定される不動産賃貸借への対応に関しては、できるだけ早い準備の開始を始めることが肝要です。 当セミナーは、2023年7月に開催され好評を博した不動産論点に特化した公開草案の解説セミナーの続編となっており、IFRS実務も含めた新リース会計基準の背景に造詣が深く、公開草案へパブリックコメントも提出した経験豊富な講師が、新基準の趣旨、公開草案からの改正点、抜本的に改正される借手(テナント)側の会計処理、貸手(オーナー)のビジネスへの影響等、新基準における不動産関連業への影響にスコープした規定・論点を抽出し、3時間の講義で手際よく解説します。 なお、経理・財務担当者のみならず、リーシング担当者等の方々も今後知っておくべき内容が含まれますので、少しでもご関心のある方々はどうぞご応募ください。 5464のアーカイブ I. 新しい「リースに関する会計基準」の背景・概要 1. 背景としてのIFRSとコンバージェンス 2. バランスシートでの「負債」の意義 3.JGAAPのリース会計基準の変遷 4. 改正の主要内容 借手は抜本改正、貸手は小幅改正 5.公開草案からの主な改正点 6. 影響の主戦場は「不動産賃貸借」 7. 不動産の使用権化~不動産リースの会計的表現 II. 借手の会計処理等 1. リースの定義・識別 2.基本的な会計処理~計算の3要素 3.リース構成部分と非リース構成部分の区分 4. リース期間の判断 5. 割引率の決定 6. その他各論(短期・少額リース、借地権、敷金、等) Ⅲ.セール・アンド・リースバック取引~「オフバランス化」の意義の減少 Ⅳ. 貸手の会計処理等 1. 貸手には残るファイナンス・リースの規定 2. オペレーティング・リース~フリーレントの処理等 3. リース構成部分と非リース構成部分の区分 4. その他各論(敷引、等) Ⅴ. サブリースの会計処理~パス・スルー型の場合等 Ⅵ. 表示・開示 Ⅶ. 適用時期・経過措置・他会計基準等の改正 本吉 進 (もとよし すすむ) 氏 公認会計士・税理士。1999年にセンチュリー監査法人(現・EY新日本有限責任監査法人)の大阪事務所に入所。2007年に東京事務所に異動して以降は一貫してREITを中心とする不動産ファイナンス関連の監査・アドバイザリーに従事するとともに、大手不動産デベロッパーのIFRS導入支援や上場AM会社の内部統制構築支援にも深く関与した。2017年にフランス拠点のMazarsグループに移籍した後、2019年に独立し現職。 システム監査技術者、証券アナリスト協会認定アナリスト、不動産証券化協会認定マスター等も保有し、上場REITの監督役員、多数の私募SPCの役員も務める。 本吉 進 本吉総合会計事務所 公認会計士・税理士 合同会社本吉総合研究所 代表社員